Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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地下鉄の赤ちゃん Part 5。ついに、ケビンが家族に!そして小学校の授業で・・・。

『僕たちの地下鉄の赤ちゃん』の5回目です。
いよいよ、ケビンが家族に加わります。


Part 1~4までは次のリンクから読むことができます。
Part 1
Part 2
Part 3
Part 4


With only two days to prepare, everyone was in a frantic rush. Pete's family went to the shops to buy all the supplies the couple needed. Danny and Pete started speed reading baby books such as What to Expect When You're Expecting. Their apartment was turned into a nursery with boxes of nappies everywhere and a cot.


(赤ちゃんを受け入れる)準備にたった2日しかなくて、みんなパニック状態だった。ピートの家族は二人が必要としていたものをすべて買うために出かけた。ダニーとピートは『出産までにすべきこと』といった本を大急ぎで読むことを始めた。彼らのアパートはあちらこちらにオムツの箱とベビーベッドがあるといった育児室になった。


On Friday 22 December at nine o'clock in the morning, Danny and Pete collected Kevin from the foster care agency. They snuggled him up in his blanket and - appropriately - took the subway back to their apartment.


12月22日の金曜日、朝の9時、ダニーとピートはフォスターケア担当部局の人からケビンを受け取った。毛布にくるんで抱き、今度は"きちんと落ち着いて"地下鉄に乗ってアパートに戻った。


"It had started to snow," says Danny, "so it made it feel even more magical."


「(あのときは)雪が降りそうだったな」、「だから余計に魔法のように思えたんだ」、とダニーは言った。


Alone that evening as a family, they had a chance to take in everything that had happened.


その夜家族3人だけになって、彼らは起こったこと全てを受け入れることができた。


"I think we exhaled probably for the first time," says Danny. "I remember just kind of marvelling in the moment that this was actually a reality."


「多分初めてほっとできたんだ」、「その瞬間、これは本当に現実なんだって、ただただ驚愕したのを覚えてるよ」、とダニーは言った。


Kevin lay fast asleep on Pete's chest, drooling.


ケビンは、よだれを垂らしながらピートの胸でぐっすり眠っていた。


The judge's plan had been for Kevin to visit for the Christmas holidays and then return to his foster home. But Danny and Pete asked if there was any way he could stay with them, and on 27 December, the case worker called with good news, Kevin could remain while they completed the home study and certified their home.


判事の考えでは、ケビンはクリスマスの休暇中に一時引き取られるが、それからフォスターホームに戻るというもののだった。しかし、ダニーとピートはケビンが何とか自分たちと一緒にいられるように頼んだのだ。そして、12月27日には、ケースワーカーからいい知らせがあり、(親としての)在宅学習を終えて、資格をとる間、家でケビンと一緒にいてもいいと言われたのだった。


The Manhattan Family Court was located near Ground Zero, where the 9/11 attacks took place in September 2001, so the adoption process was delayed, but it was finally completed on 17 December 2002.


マンハッタン家庭裁判所は2001年9月に9/11の攻撃があったグランドゼロの近くにあり、養子縁組の手続きは遅れた。しかしついに2002年12月17日に手続きが完了となった。


Danny, Pete and Kevin soon settled into family life together. Danny remembers how Kevin loved books. Every night they would read bedtime stories or sing him to sleep while stroking his head.


ダニー、ピート、ケビンはすぐに家族としての生活に入った。ダニーはケビンが本が大好きだったのを覚えている。毎晩、頭をなでながら枕元でお話を読んでやったり子守唄を歌ってやったりしていた。


Pete made a picture book with the story of Kevin's discovery, which he decorated with clip art, and when Kevin was three or four, he and Danny would read it to him every night before bedtime.


ピートはケビンを見つけたことをお話にして絵本を作った。そしてクリップアートの装飾を入れた。ケビンが3歳か4歳の頃、彼とダニーと毎晩寝る前にそれを読んでやった。


"It was his favourite," says Pete.


「ケビンはその本がお気に入りだったな。」とピートは言った。


"Some nights, and days, we read it multiple times. We'd often catch Kevin flipping through the pages by himself and mouthing the words he had memorised. This was the sweetest thing in the world to witness."


「夜も昼も、何回も読まされたな。ケビンが自分でページをパラパラめくったり、いくつか覚えた言葉を口に出したりするのをよく聞いたな。それがこの世で目にする一番可愛いものだった。」


Kevin didn't make the connection for almost a year that this was his story, Pete says. But when he did, he was so proud and excited that he took the book for a show and tell at his school.


ケビンはほぼ1年のあいだそれが自分のことだって分からなかったんだ、とピートは言う。しかし、それが分かった時、彼はすごく自慢げで喜び、学校の授業でみんなに披露したんだ。



家族の形は様々。一番大切なのは、お互いに愛情と責任を持つこと、ということだと分かりました。


文中に"a show and tell"という言葉が出てきますが、アメリカの小学校には、低学年の子供たちに、自分が大好きなものを学校に持って来させて、それをみんなに見せながら、説明させるという、いわゆる「プレゼンテーション」をさせる授業があります。


小さいころから、自分の意見をしっかり発表するという教育目的の一環です。ケビンがピートの書いた本を選んだことを知って、二人がどんなに喜んだか、目に浮かぶようです。


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