昨日はニューヨーク市で、殺人、発砲事件が激減したという、ローカルメディアの"Ptch"ニュースを読みました。エリック・アダムズ市長はNYPD（ニューヨーク市警）出身で、ニューヨーク市の犯罪件数を少なくするということを公約のひとつに掲げています。昨日の記事を読む限り、市長の政策が功を奏したように思えます。しかし、その具体的な方法について言及していませんでした。今日は具体的な手法をグラフを見ながら読んで行きます。

ニューヨークの非営利のローカルメディア、"The City"の次の記事の抜粋になります。

　　　　　　　⇩

NYPD Stop-and-Frisks Surged Again in 2024 Under Adams

The vast majority of stops, which surged by 50% last year, targeted Black or Latino New Yorkers.

アダムズ政権下の2024年、NYPDによる職務質問と所持品検査検査が2024年に再び急増。 

昨年、50%増加した職務質問の大多数は、黒人またはラテン系市民だった。

by Surina Venkat 

April 2, 2025.

In 2024, officers recorded 25,386 stops, a 50 percent increase over the previous year and the highest number since 2014. Nearly nine in ten people stopped by the NYPD last year were Black or Latino. 

2024年には、警察官による職務質問の件数は25,386件を記録し、前年度比で50%増となり、2014年以来の最高記録となった。昨年、ニューヨーク市警察に職務質問された人のうち、10人に9人近くが黒人またはラテン系であった。

Over 15,600 people were frisked during stops, a 43 percent increase over the previous year.

15,600人以上が止められて所持品検査を受けた。これは前年比で43％の増加である。

The spike came despite new practices adopted in January 2024 to curb （抑える）unlawful（違法な） stops, including trainings, audits （監査）and reviews of body-worn camera footage.

法に触れるような職務質問や監査、ボディカメラの映像確認等をしないように、2024年1月に新しいやり方を取り入れたにもかかわらず、その数は急激に増えている。

中略

Stop-and-frisks — otherwise known as Terry stops — refer to the police practice of stopping and patting down the outer clothing of individuals cops suspect to be armed and dangerous. During these stops, police may also search individuals’ belongings. 

「ストップ・アンド・フリスク」は、「テリーストップ」とも言われていて、武器を持っていて危険ではないかと警察官が判断したら、その人を呼び止めて、上着を上から下へパンパンたたきながら調べる手法のことである。この際、警察官はその人が何を持っているのかまで探すことがある。

Under Mayor Michael Bloomberg, NYPD officers stopped hundreds of thousands of individuals each year and conducted a record-high 685,724 stops in 2011. Few stops resulted in arrests, and the practice disproportionately targeted Black and Latino individuals. 

マイケル・ブルームバーグ市長時代に、NYPDの警官は毎年数十万人を呼び止め、その数は2011年には過去最多の685,724件になった。しかし逮捕に至ったケースはほとんどなく、この行為で不当に扱われたのは黒人とラテン系の人々だった。

👩ブルームバーグ市長は、 2002年～ 2013年までニューヨーク市長でした。

NYPD stops sharply decreased in the following years. In 2013, a New York federal judge ruled that the practice was ineffectual and, as implemented under Bloomberg, violated the constitutional rights of minorities. By 2021 — Mayor Bill de Blasio’s final year in office — NYPD officers conducted just 8,947 stops. 

NYPDによる職務質問は、その後の数年で大幅に減少した。2013年には、ニューヨークの連邦判事が、この手法は効果的ではなく、ブルームバーグ市長の下で実施されたものはマイノリティの憲法上の権利を侵害していると裁定した。その後のビル・デブラシオ市長の任期最終年の2021年には、NYPDの警官による職務質問はわずか8,947件だった。

Three years later, that number has nearly tripled under the Adams administration. 

それから3年後、アダムス市長の下でその数はほぼ3倍に増加した。

Since Adams took office in 2022, stop-and-frisk incidents have risen each year and continued to disproportionately target people of color. NYPD officers recorded more than 15,000 stops in both 2022 and 2023.

2022年にアダムスが市長に就任して以来、職務質問と身体検査の件数は毎年増加し、有色人種が不当に偏って標的にされ続けている。NYPDの警官は2022年と2023年の両年とも15,000件以上の職務質問が報告された。

後略

👩ニューヨークの犯罪の激減の裏には、もしかすると有色人種に対する不当なストップ・アンド・フリスクが関係しているのかもしれません。

Englishラボ

MisTy