「虐待」、「ハラスメント」とは?そして「ペアレンティング」ー"parenting"という単語。
連日メディア報道で、幼児虐待のニュースが流れます。日本社会では今に始まったことではありません。一方で、「パワハラ」やら「セクハラ」という言葉が飛びかい、最近では「カスハラ(カスタマーハラスメント)」という言葉もできたようです。
「虐待」は英単語では、"abuse"、「~ハラ」は、"harassment"です。実際どういう説明がされているのか、見ておきましょう。(注はMisTyによるものです。)
"abuse"
→ 1 cruel or violent treatment of someone
① 人に対する残虐で暴力的な扱い
(注:ここの"treatment"は「治療法」ではありません。)
2 the use of something in a way that it should not be used
② 使うべきではないやり方で何かを使うこと
英語では、人に対してだけではなく、物に対しても使われます。日本で言われている「虐待」は①のほうです。
逆に、"abuse"を、英和辞典で引いてみました。
"abuse"
悪用、不正使用、乱用、誤用、(人や動物に対する)虐待、酷使、罵り、嫌がらせ
様々な日本語の表現があるのが分ります。
次に、"harassment"です。まずはロングマンの定義から。
"harassment"
→ when someone behaves in an unpleasant or threatening way towards you
人が相手に対して不愉快なまたは威圧的なやり方な態度を取るときに使う言葉
「英辞郎プロ」で引くと・・・。
"harassment"
迷惑{めいわく}を掛ける[嫌がらせをする]こと、ハラスメント◆不可算
迷惑行為{めいわく こうい}、嫌がらせ
虐待を疑われた親はよく、「しつけだ、教育の一環だ」と言います。日本には親に子供を「懲戒する」権利があるなんて、MisTy自身知りませんでした。「子どもの権利」も日本社会では、「子供に権利はない」、「子供を甘やかすだけだ」という意見があります。親の脅しに屈して子供の訴えを書いた文を親に見せてしまうことは、子供の権利の剥奪です。
英語には、"parenting"という単語があります。
ロングマンで定義を調べてみました。
"paring"
→ the skill or activity of looking after your own children
自分の子供を"look after”(世話する)スキルや行為
となっています。
ただ、"look after"では、具体性がないので、さらに、"look after"を調べました。
"look after"
→ 1 to take care of someone by helping them, giving them what they need, or keeping them safe
① 人を手伝ったり、人が必要としていること(もの)を与えたり、人を安全な状態に保つことによって世話をすること。
2 to be responsible for dealing with something
② 何かに対処することに責任を持つこと
この2つの意味があります。
さらに、アルクの「英辞郎プロ」で"parenting"を引くと、興味深い注釈がついていました。
"parenting"
→ 〔親の子に対する〕しつけ、親業{おやぎょう}◆しばしば「子育て」「育児」と訳されているが、少々語弊がある。parentingとはおしめを取り換えたり食事を与えたりといった乳幼児の世話から、行儀や作法をしつけたり人格面での教育を施したりすることまでを含めた「親業」のことである。日本語の「子育て」に近い言葉には、child-rearing、child-raisingなどがある。
この「人格面での教育をほどこしたりすることまでを含めた・・・」の部分です。こうなると、「ウワッ、親ーー"parent"ーーになるということは大変なことなのだ!」と思います。だから、英語のサイトでは、この"parenting"のサイトが多く、また"parenting"教育が、子供が生まれる前から盛んになされているのだと納得します。「ペアレンティング」という言葉は日本社会に根付くまでにあと何年かかるでしょうか。
https://ok2bme.ca/services/rainbow-parenting/ (関連サイトです。)
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