Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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ニューヨークの若者支援の形(一例)は、今の日本で可能だろうか?

昨日から若者支援のプログラムである、ニューヨークの慈善団体による「The Harlem Children’s Zone plan (ハーレム・チルドレン・ゾーンの計画)」を読んでいます。今日はその後半です。


ニューヨーク市では、人種間の収入格差が大きいです。
アーバン・インスティテュートという、政策や問題解決に関する意思決定を形成するための経済・社会政策研究を実施しているシンクタンクによると、2022年の一般的な白人世帯の資産1ドルに対して、黒人世帯は16セント、ラテン系世帯は22セントだそうです。


「The Harlem Children’s Zone plan (ハーレム・チルドレン・ゾーンの計画)」に対する識者の見解として2つ挙げておきます。(こちらのサイトより)


●(ニューヨーク市にある大学のひとつである、ニュースクール---The New School)の)人種・権力・政治経済研究所の創設者であるダリック・ハミルトン(Darrick Hamilton)氏
       
 "the program is probably the largest private investment to address the country’s racial wealth gap", 
“We look at wealthy people, and they already do this,”
“In some ways this is democratizing trust funds for others.”

「このプログラムはおそらくこの国の人種間の貧富の格差に対処するための民間投資としては最大規模のものだ」。
「裕福な人々を見てみると、彼らはすでにそうしている」
「これは他人のための信託基金の民主化したものだ。」


●アーバン・インスティテュートの上級政策上級政策顧問(senior policy associate)
であるMadeline Brown(マデリン・ブラウン)氏


"The program bears similarities to the idea of baby bonds, a recent public policy in which investments are made on behalf of (~のために)children for college or other goals,"      
「このプログラムは、ベビーボンドの考え方に近い。ベビーボンドは最近の公共政策で、ような融資は、子供たちが大学やその他の目標に到達するためのものだ。」


👩ベビーボンド(baby bonds)とは、行政が赤ちゃんに信託口座を作るという公共政策で、近年注目されています。(詳しくはこちらへ。日本語の説明があります。)



ここから、昨日の記事の続きになります。(原文はこちらです。)


The Harlem Children’s Zone plan differs in a few ways. Children selected to receive the $10,000 funds are also enrolled in a number of(多くの)cradle(ゆりかご) to career” programs that range from scholarship and loan assistance (補助)to retirement savings planning.


And no other program has the support of such a wide roster(名簿) of deep-pocketed(裕福な) philanthropists(慈善家). Harlem Children’s Zone’s board of trustees include the billionaire investors Stanley Druckenmiller, Keith Meister, and Ken Langone, a co-founder of Home Depot.


In a phone interview, Mr. Druckenmiller said he would manage, for free, half of the Youth Opportunity Fund, which has already raised over $50 million. “I couldn’t be more excited about it,” he said, adding that the fund’s goal of 5 percent interest per year is “conservative(控えめ).”



ハーレム・チルドレン・ゾーンの計画は、いくつかの点で(今までの支援の形と)異なっている。1万ドル(約160万円)の資金を受け取ることになった子供たちは、奨学金やローンの支援から退職後の貯蓄計画まで、さまざまな「ゆりかごからキャリアまで」のプログラムにも登録される。


また、これほど幅広い層の裕福な慈善家の支援を受けているプログラムは他にはない。ハーレム・チルドレン・ゾーンの理事会には、億万長者の投資家であるスタンリー・ドラッケンミラー氏、キース・マイスター氏、ホーム・デポの共同設立者であるケン・ランゴン氏らが名を連ねている。


電話インタビューでドラッケンミラー氏は、すでに5,000万ドル以上(約80億円)を集めており、青少年機会基金の半分を無償で調達するだろうと述べた。「こんなにうれしいことはない。このファンドの年利5%という目標は「控えめなもの」だと付け加えた。



Stanley Druckenmiller

元ヘッジファンド・マネージャー。1981年に設立したデュケイン・キャピタルの元会長兼社長。


Keith Meister

ヘッジファンドの経営者。彼の個人会社であるコーベックス・マネジメントLPで知られる経営者。


Ken Langone

アメリカの億万長者の実業家。ホーム・デポの創業者たちに資金を提供したことで知られている。共和党への主要な献金者。




While the fund is promising, it has its limits, Dr. Hamilton said. “We cannot rely on the charitable inkling (ほのめかし)of wealthy people to get us out of this quagmire(窮地),” he said, noting that the goal should be to inspire a publicly funded model.


As to whether the funds are worth the cost, Mr. Owusu-Kesse said that the $10,000 investment reflects a small fraction of the price to put a New York City student through high school, and that the savings could have an outsize impact on their lives.


So far, only about 100 recent graduates of Harlem Children’s Zone schools have been informed that they will be included in the fund.



この基金は有望ではあるが、限界があるとハミルトン博士は言う。「(経済的な)困難から抜け出すためには、裕福な人々のチャリティーの志に頼るわけにはいきません」とハミルトン博士は言い、公的資金が投入されるモデルを目指すべきだと指摘した。


この資金がコスト的に見合うものになるかどうかについて、オウス・ケッセ氏は、1万ドルの投資はニューヨーク市の生徒を高校まで通わせるための費用のごく一部に相当するものでしかないが、その貯蓄は彼らの人生に大きな影響を与える可能性があると述べた。


今のところ、ハーレム・チルドレン・ゾーンの学校を卒業したばかりの約100人だけが、この基金の対象となることを知らされている。



若者支援、貧困状態、弱者救済は日本でも問題になっています。ハーレム・チルドレン・ゾーンのような計画が日本でも可能でしょうか?不可能であれば、それはどういう点で不可能なのでしょう?


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MisTy






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