コストコ創業者のビジネスに関する理念とは?
コストコの駐車場に行くと、いつも車を停める場所を探さなければなりません。ホットドッグを食べる場所は、ランチの時間帯はほとんど満員です。ソフトクリームはとても一人で食べきれない量です。
お買い得な買い物をしたはずなのに、レジではいつも結構な金額を払っています。「必要なものを、結局他の店より安く買っているのだから、仕方ないな。」と思いながらレシートを受け取ります。
今日のリーディングポイントは・・・・
★コストコの歴史と他の店と異なる点を説明できるようになる
ということです。
本文は抜粋となります。原文、画像は、こちらです。
In the first year it was open, Sol Price’s FedMart lost $750,000. By the time he died at 93, in 2009, Mr. Price had a net worth of $500 million.Credit...San Diego History Center
ソル・プライス氏が経営するフェドマートは、開店1年目で75万ドルの赤字でした。
2009年に93歳で亡くなるまでに、プライス氏の純資産は5億ドルに達しました。
Sol Price, born in 1916, was the son of garment (衣類)workers from Minsk, and belonged to the generation of displaced (故郷を離れた)Jews and other Europeans who thrived in New York’s small businesses — the delis, candy shops and pawnshops (質屋)of the Depression and postwar years. In the 1920s, the family moved to San Diego, where he went to high school.
After law school at the University of Southern California, Mr. Price started his career representing grocers (食糧雑貨商)and other merchants. With the temperament (気質)of a shopkeeper who obsesses(こだわる)over his customers and fusses over (気を配る)the smallest of details, in the 1950s Mr. Price began converting empty San Diego warehouses into members-only bazaars where for a small fee, shoppers could get everything from hosiery (靴下)to cigarettes at wholesale prices. The key to the business, called FedMart, was simple: keep members renewing year after year.
In 2003, Mr. Price described his philosophy to Fortune magazine as “How do we sell stuff at the lowest markup(利幅)?” The overriding (最も重要な)goal, he said, was “to look at everything from the standpoint of, is it really being honest with the customer?”
1916年生まれのソル・プライスは、ミンスク出身の縫製労働者の息子で、自国を追い出されたユダヤ人やヨーロッパ人が、大恐慌時代から戦後にかけてニューヨークのデリ、キャンディーショップ、質屋などのスモールビジネスで成功した時代に育ちました。1920年代、一家はサンディエゴに移り、彼はそこで高校に進学しました。
南カリフォルニア大学の法学部を卒業後、プライス氏は食糧やその他の店を出してキャリアをスタートさせました。顧客に執着し、細部にまでこだわる店主の気質を持つプライス氏は、1950年代、サンディエゴの空き倉庫を会員制の市場に改装し、わずかな料金を払うだけで、買い物客は靴下からタバコまで、あらゆるものを卸売価格で手に入れることができるようにしました。フェッドマートと呼ばれるこのビジネスの柱は、会員が毎年会費を払って更新し続けるというシンプルなものでした。
2003年、プライス氏は『フォーチュン』誌に自らの哲学を、「最小の利幅でどのように売るか?」だと語っています。そして、最も重要な目標は、「顧客に対して本当に誠実であるか?という観点からすべてを見ることだ」と言いました。
Mr. Price had a gift for connecting with shoppers at a time of exploding prosperity and social change, but paradoxically(逆説的に), one of his rules was not making too much money.
“He grew up in a family of socialists. He was a capitalist. He liked to make money, but he was pro-union, pro-labor, pro-little guy,” said David Schwartz, who co-wrote “The Joy of Costco” with his wife, Susan. “Everything was about trust. He would rather lose your business than your trust.”
プライス氏には、爆発的な繁栄と社会変革の時代に、買い物客とつながるという才能がありました。逆説的ですが、彼のルールのひとつは儲けすぎないことでした。
『コストコの愉しみ』を妻のスーザンと共同執筆したデイヴィッド・シュワルツは、次のように言っています。「彼は社会主義者の家庭で育ちながらも資本主義者でした。金儲けが好きでしたが、労働組合、労働者、子供の味方でした。すべてが信用に関わっていました。彼はみなさんの信用を失うくらいなら、自分のビジネスをなくした方がいいと思っていたのです。」
The first Costco store opened in Seattle in 1983. Ten years later, Sol Price’s Price Club would merge with Costco.Credit...Courtesy of Costco
1983年、シアトルにオープンしたコストコ1号店。10年後、ソル・プライスのプライスクラブはコストコと合併することになる。
Through a series of mergers (合併)over the years, Sol Price’s FedMart became what we know as Costco in the 1990s. To an uncanny (尋常ではない)degree for a modern corporation, the company, now headquartered (本社を置いた) in Issaquah, Wash (ワシントン州イサクア)., has remained true to Mr. Price’s vision. It is still relationship-minded, and members seem satisfied, renewing at a rate of 93 percent. Last quarter, the membership fees accounted for $1.12 billion, about two-thirds of Costco’s $1.68 billion total net income. The dependence, in other words, remains mutual (相互関係のある).
Wall Street also likes what Costco does, especially the dependable (信頼できる) cash flow that comes from membership. Occasionally, shareholders feel neglected (放っておかれている)— in 2004, an analyst with Deutsche Bank complained that Costco was “overly generous(寛大過ぎる)” with its employee benefits, saying, “Public companies need to care for shareholders (株主) first.” But few complain about the returns.
“I did the calculation once,” Mr. Schwartz said. “The stock price has grown 17 percent annually since the founding.”
ソル・プライスのフェッドマートは、長年にわたる合併を経て、1990年代に現在のようなコストコとなりました。現在、ワシントン州イサクアに本社を構えるコストコは、現代企業とは思えないほど、プライス氏のビジョンに忠実です。人間関係を重視する姿勢は変わらず、会員は93%の更新率という高さです。前四半期の会費収入は11億2000万ドルで、コストコの純利益総額16億8000万ドルの約3分の2を占めています。つまり、会社は会費収入に依存している相互関係にあるのです。
ウォール街もまた、コストコの業績、特に会員から得られる信頼できるキャッシュフローを気に入っています。時々、軽視されていると感じる株主がいます。2004年には、ドイツ銀行のアナリストが、コストコは従業員の福利厚生に「寛大すぎる」と苦言を呈し、「上場企業はまず株主を大切にしなければならない」と述べました。しかし、リターンに不満を持つ人はほとんどいません。
👩"public companies"は、「公開会社」ですが、「上場企業」を指します。
主ワルツ氏は、「一度計算したことがありますが、創業以来、株価は毎年17%上昇しています」と述べました。
この情報をもっと早く知っていれば、コストコの株を買っていたかも・・・。今、いくらくらいになっているでしょう?
明日も、コストコです。
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