ニューヨークの駅に巨大な魚が！超リアルなアート。

2022/02/05 19:00

ニューヨークの地下鉄は、そのまま美術館です。そしてコンサート会場にもなります。

数え切れない作品がありますが、その中で是非ご紹介したいものをいくつか取り上げることにしました。

MTA Subway - Delancey St/Essex St
デランシーストリート／エセックスストリート駅

アメリカの河川に生息するシャッド（ニシン）を描いたモザイク作品です。

Untapped New Yorkには次のように書かれていました。

The vibrant colors of the naturalistic mosaic that coats the walls at the Essex & Delancey subway station brings a splash of color to subterranean New York.

地下鉄エセックス＆デランシー駅の壁を覆う自然派モザイクの鮮やかな色彩は、ニューヨークの地下に勢いを与えています。

題材となったShadはこれ。体長は40センチはありそうです。

日本語でニシンと訳されているようです。こちらが日本でとれるニシン。

店で売られるときには、この輝きがなくなっていますね。。。

でも、壁画のシャッドはこんなに生き生きとしている！

目が輝いている！背びれを立てて、口が少しひらいているところに生命感を感じます。
水の流れに速さがあり、優雅に泳いでいるのではなく、一生懸命に泳いでいる。そんな魚たちのそばを通ると、人間の足取りも一歩一歩が力強く踏み出せそうな気がします。

こちらのサイトから、製作者のミン・フェイ氏と彼のこの作品についての解説を読みました。
Delancey Street - F Train Subway Mosaics | Carpe City | A New York City Guide for the Culturally Curious

On the Manhattan-bound side of the Delancey/Essex Station, you’ll find an abundant mosaic orchard, rendered in art glass by the Chinese-American, New York artist Ming Fay.
Much of Fay’s work focuses on gardens as a symbol of the utopian ideal, and the relationship between man and nature…

デランシー／エセックス駅のマンハッタン方面ホームには、中国系アメリカ人であるニューヨークのアーティスト、ミン・フェイがアートガラスで表現したモザイクの果樹園が広がっています。
フェイの作品の多くは、ユートピア的な理想の象徴としての庭園や、人間と自然の関係をテーマにしています...

（ミン・フェイ氏の果樹園の作品。実家が大きな果樹園だったようです。）

Fay’s gorgeous multicolor fish mural depicts shad crossing the East River.
Because we know you’re curious, shad are game fish native to the waters around New York City. They are delicious but very bony, so you won’t find them on many menus. According to cooking site Spruce Eats, there is an Indian saying about the shad that goes, “A porcupine fled into the water and was turned inside out to become the shad.”

フェイ氏が描いた多色の魚の壁画には、イーストリバーを渡るシャッドが描かれています。
なぜシャッドなの？と思われるでしょうね。シャッドはニューヨーク付近の水域に生息するゲームフィッシュ（釣りの対象になる魚）です。美味しいのですが、とても骨が多いので、あまりメニューには載っていません。料理サイト「スプルース・イーツ」によると、シャッドにはインディアンの言い伝えがあり、「ヤマアラシが水の中に逃げ込み、内側と外側がひっくり返ってシャッドになった」と言われています。