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AIは本当に人間の代わりに仕事をしてくれるのだろうか?

ウォールストリート・ジャーナルの、"The AI Revolution Is Already Losing Steam"(AI革命はすでに勢いを失いつつある)という記事を読んでいます。


最近急速にAIを使っていると思われる動画が増えました。東京都知事選挙でも、公約発表にAI技術が使われているようですが、専門家はまだまだ未熟だと見ているようです。


AIは、すでにインターネット10個分の情報量を取り入れさせることができるようになっていますが、問題は「それ以上AIに覚えさせる情報がなくなってきている」ことであることがこれまでの記事の内容で示されていました。


AIに関して、情報を覚えさせていくという単語に"train"が使われていたことが印象的でした。人間はAIがさらにレベルの高いワザを身に着けるようサーカスの調教師のような役割を担っているようです。「調教」には莫大な費用と労力がかかり、果たしてAIはスマホのように、万人が気軽に使えるような、「日用品」となりうるのか?という疑問についても読んで来ました。


今日はそんなAIのさらなる問題に焦点が当てられています。原文はこちらにあります。


今日の小見出しの英語はこれです!


Narrow use cases, slow adoption
(実際に)活用できているケースは少なく、まだ十分に定着していない



👩‍💻内容の予測


● どういう使われ方をしているのかが書いてあるだろう。
●"adoption"の意味するものが何かが分かるだろう。


ということを頭に置いて読んでいきます。


予想の答えのヒントになりそうなところにアンダーラインを引いていきます。


A recent survey conducted by Microsoft and LinkedIn found that three in four white-collar workers now use AI at work. Another survey, from corporate expense-management and tracking company Ramp, shows about a third of companies pay for at least one AI tool, up from 21% a year ago.


This suggests there is a massive gulf(格差) between the number of workers who are just playing with AI, and the subset (小集団)who rely on it and pay for it. Microsoft’s AI Copilot, for example, costs $30 a month.


OpenAI doesn’t disclose(開示していない) its annual revenue(歳入), but the Financial Times reported in December that it was at least $2 billion, and that the company thought it could double that amount by 2025.



マイクロソフトとリンクトインが最近実施した調査によると、(管理や運営に携わる)ホワイトカラー労働者の4人に3人が現在、職場でAIを使用している。また、企業の経費管理とトラッキングを行うランプ社が行った別の調査では、少なくとも1つのAIツールを購入している企業の割合は、1年前の21%から約3分の1に増加している


このことは、AIを面白がって使っている人の数と、AIに頼ってその使用料を払っている人たちの間に大きな差があることを示唆している。ちなみに、マイクロソフトのAIである コパイロットは月額30ドル(約4,800円) だ。


オープンAIは年間売上高を公表していないが、『ファイナンシャル・タイムズ』が12月報じたところによると、少なくとも20億ドルで、2025年までにそれを倍増できると考えているという。


👩"adoption"は、「養子縁組」という意味でも使われているように、自分の分身の様に扱う、とか、特定の目的をもって十分な役割を果たしてもらうことを期待して使っている、というニュアンスで使っていると思います。


That is still a far cry from(~からほど遠い) the revenue needed to justify OpenAI’s now nearly $90 billion valuation(評価額). The company’s recent demo (新作発表)of its voice-powered features led to a 22% one-day jump in mobile subscriptions(モバイルの契約数), according to analytics firm Appfigures. This shows the company excels at generating interest and attention, but it’s unclear how many of those users will stick around.


Evidence suggests AI isn’t nearly the productivity booster it has been touted as, (もてはやされている) says Peter Cappelli, a professor of management at the University of Pennsylvania’s Wharton School. While these systems can help some people do their jobs, they can’t actually replace them. This means they are unlikely to help companies save on payroll(人件費). He compares it to the way that self-driving trucks have been slow to arrive, in part because it turns out that driving a truck is just one part of a truck driver’s job.



その収益額でオープンAIの現在の評価額900億ドル近くを正当化することは到底できない。分析会社のアップフィギアーズによると、オープンAIが最近発表した音声を使った機能のデモでは、モバイル契約数が1日で22%急増したという。これは、同社が関心と注目を集めることに長けていることを示しているが、そのうちの何人のユーザーが定着するかは不明だ。


ペンシルバニア大学ウォートン・スクールのピーター・カッペリ教授(経営学)は、AIはもてはやされているような生産性を向上させるものではない、と言う。このようなシステムは一部の人間の仕事を助けることはできても、実際に人間の代わりをすることはできない。つまり、企業が給与を節減するのには役立たないだろうということだ。彼は、自動運転トラックの登場が遅々として進まないのは、トラックを運転することがトラック運転手の仕事の全てではないと言うことが分かったことも理由の一つだ、と述べている。


Add in the myriad (無数の)challenges of using AI at work. For example, AIs still make up fake information, which means they require someone knowledgeable to use them. Also, getting the most out of open-ended chatbots isn’t intuitive(直感的), and workers will need significant training and time to adjust.


Changing people’s mindsets and habits will be among the biggest barriers to swift adoption(迅速な採用) of AI. That is a remarkably consistent pattern across the rollout (展開)of all new technologies.


さらに、AIを仕事に活用する上での無数の課題も考えてみよう。例えば、AIは未だに偽りの情報を作り上げるため、使用するには知識のある人間が必要だ。また、制約のないチャットボットを最大限に活用するというのは直感的にできるようなものではなく、従業員は適応するためにかなりの訓練と時間を必要とする。


人々の考え方や習慣を変えることは、AIの迅速な普及を阻む最大の障壁のひとつである。これは、あらゆる新技術の展開において、驚くほど一貫したパターンである。


None of this is to say that today’s AI won’t, in the long run, transform all sorts of jobs and industries. The problem is that the current level of investment—in startups and by big companies—seems to be predicated on the idea that AI is going to get so much better, so fast, and be adopted so quickly that its impact on our lives and the economy is hard to comprehend.


Mounting evidence suggests that won’t be the case.


だからと言って、今日のAIが、長期的にはあらゆる種類の仕事や産業を変革しないとは言わない。問題は、新興企業や巨大企業による現在の投資水準が、AIが非常に高性能になり、動きが速くなり、我々の生活や経済への影響が理解できないほど非常に早く採用されるという考えを前提にしているように見えることである。


そうならないことを示唆する証拠が次々に出てきているのだ。




👩結局、人工とはいえ「知能」を持ったものに対しては、"parenting"(親としての教育)も必要なのですね。「子供」を迎えるようにAIを導入し、わが子を育てるように、AIを教育していくという人間側の変化が求められているのだと思いました。その意味では、現在、人間にAIの親になる覚悟がまだできていないのかもしれません。



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