日本の総裁選と、アメリカの大統領選の違いを考える。
日本では、もうすぐ首相が変わりますね。これまで報道などで各候補の主張を見たり聞いたりして、日本の首相を国民が直接決められないことにいら立ちを感じられているのかもしれません。
今回は、トランプ氏対ハリス氏のディベートでの「中絶問題」と「相手に対する批判と応戦」についてです。これらについて日本でどのように取り上げられていたでしょう?国のトップを選ぶ選挙のシステムの違いがはっきりしたように思います。(一部抜粋があります。原文、画像はこちらからです。)
今日のリーディングのポイントは・・・
★ディベートにおいて、ニューヨークタイムズは、両者の違いをどのように取り上げていたか
です。
Harris seized the advantage on abortion.
ハリス氏が中絶問題で優勢だった
Kamala Harris smiling and holding a microphone in front of a crowd with her husband looking on.Credit...Haiyun Jiang for The New York Times
夫が見守る中、聴衆の前で微笑みながらマイクを持つカマラ・ハリス氏。
“As far as the abortion ban, no, I’m not in favor of abortion ban,” he said. “But it doesn’t matter because this issue has now been taken over(引き継がれる)by the states.”
Mr. Trump, 78, sounded his age as he tried to articulate (明確にする)his position on in vitro fertilization (体外受精): “I have been a leader on fertilization,” he declared.
Ms. Harris, 59, had laced into(こき下ろした)Mr. Trump. She called his position on abortion “insulting (侮辱する)to the women of America” and said she had met women across the country whose health and lives had been endangered (危険にさらされている)by abortion restrictions.
A Harris campaign official said the exchange on abortion, delivered in the first half-hour with viewership at its highest, was one of the night’s best in her team’s testing of voters in swing states(選挙結果を左右する州).
「中絶禁止に関してはノーです。私は中絶禁止に賛成ではありません」、「しかし、この問題は現在、各州に委ねられているので、問題ではありません」とトランプ氏は述べました。
👩2022年6月下旬にアメリカ最高裁判所が、女性の中絶権を認めた1973年の「ロー対ウェイド」判決をくつがえし、中絶問題は憲法で保障するものではないとし、アメリカの各州がそれ ぞれ独自の州法で合法か違法かを判断するようになりました。
78歳のトランプ氏は、体外受精に関する自身の立場を明確にしようとする中で、年齢を感じさせる発言をしました。「私は受精の分野ではずっと先頭に立ってきた」と彼は宣言しました。
59歳のハリス氏は、トランプ氏を厳しく批判しました。彼女は、トランプ氏の人工妊娠中絶に対する立場を「アメリカの女性に対する侮辱だ」と述べ、中絶制限によって健康や生活が危険にさらされている女性たちを全米で数多く見てきたと語りました。
ハリス氏の選挙対策担当者は、中絶に関する論戦が最初の30分の間で最も視聴者の関心を集め、同チームが激戦州で有権者に聞いたところ、その夜の最も白熱したものの1つだったという結果だったと語りました。
Trump didn’t hide his disdain of Harris.
トランプ氏はハリス氏に対する軽蔑を隠さなかった
“People don’t leave my rallies,” Mr. Trump pushed back at one point, leaving Ms. Harris’s more substantive charges (具体的な非難)unanswered.Credit...Doug Mills/The New York Times
「私の集会から抜ける人はいないのだ」と、トランプ氏は反論し、ハリス氏のより具体的な非難には答えなかった
For much of the debate, Ms. Harris expressed her feelings about Mr. Trump by letting her body language do the talking: putting her hand on her chin, laughing and pursing her lips (唇をすぼめる)with a puzzled look.
Mr. Trump, who seemed intent on (~に熱中する)avoiding looking in Ms. Harris’s direction, expressed his feelings by yelling(怒鳴る)into the microphone.
Ms. Harris warned that world leaders were “laughing at Donald Trump” and saw him as a “disgrace(みっともない).” And when she referred to his 2020 election loss as the moment he was “fired (解雇された)by 81 million people,” he grew visibly angry.
ハリス氏は討論全般で、トランプ氏に対する感情をしぐさで表していました。顎に手を当てたり、困惑した表情で笑ったり、怪訝そうに唇をすぼめたりしていました。
トランプ氏は、ハリス氏の方をまっすぐ見るのを避けようとしながら、マイクに向かって怒鳴り声を上げて自分の気持ちを表現しました。
ハリス氏は、世界のリーダーたちが「ドナルド・トランプを笑っている」と警告し、彼を「恥さらし」と言いました。そして、2020年の選挙で敗北した瞬間を「8100万人の人々に解雇された」と表現したとき、トランプ氏は怒りをあらわにしました。
When Ms. Harris brought up (持ち出した)his criminal convictions, Mr. Trump baselessly (根拠なく)accused Democrats — and, by extension(その延長線上で), Ms. Harris — of turning the judicial system against him: “I probably took a bullet to the head (頭に銃弾を受けた)because of the things that they say about me,” he said. At one point, when Ms. Harris tried to interject(口をはさむ) over a muted mic, Mr. Trump, well versed(精通した)in extemporaneous (即興の) insults(侮辱), used one of her memorable lines from the 2020 vice-presidential debate against her.
“I’m talking now, if you don’t mind, please,” a visibly (明らかに)annoyed(苛立った) Mr. Trump said. “Does that sound familiar?”
Mr. Trump also fumbled (しくじった)a question about his past comments questioning Ms. Harris’s racial identity(民族性). “All I can say is, I read where she was not Black, that she put out. And I’ll say that, and then I read that she was Black. And that’s OK. Either one was OK with me. That’s up to her,” he said. “That’s up to her.”
She called his use of race to divide Americans “a tragedy.”
ハリス氏がトランプ氏の犯罪歴について触れると、トランプ氏は民主党(ひいてはハリス氏)が司法制度を自分に向けて言っていると根拠なく非難しました。「私について言われたことのせいで、頭に銃弾を受けたんじゃないか」と彼は言いました。ある場面では、ハリス氏がミュートになったマイク越しに口を挟もうとした際、即興の侮辱が得意なトランプ氏は、2020年の副大統領候補討論会での彼女の印象的な次のようなセリフを使いました。
「今、私が話しているんですよ、すみませんが黙っててください。」と。「(このセリフ)聞き覚えがあるでしょう?」と明らかに苛立ったトランプ氏は言いました。
また、トランプ氏は、ハリス氏の民族性を問う過去の自身のコメントをめぐる質問にもしくじりました。「私が言えるのは、彼女は黒人ではないと書かれていたものをどこかで読んだ、ということだけだ。そしてその後、彼女は黒人だったと書かれているものを読んだ。いいよ、私は構わない、どちらでも。それは彼女決めること。」と彼は言いました。
ハリス氏は、トランプ氏が人種問題をアメリカ国民を分裂させるために利用していることを「悲劇」と呼びました。
明日で、このディベートの解説記事は終わりです。
この二人のどちらかが大統領になるのですが、今のところハリス氏のほうが若干リードしているようですが、大きな差はないようです。
Englishラボ
MisTy