ニューヨークタイムズは、ハリスvsトランプをどう見たか?
ニューヨークタイムズの、シェイン・ゴールドメイチャー氏(Shane Goldmacher)とケイティ・ロジャーズ氏(Katie Rogers)は、今回のハリス氏とトランプ氏の大統領候補者によるディベートを6つの視点からみてまとめています。その部分を取り上げました。(一部省略があります。原文と画像はこちらからです。)
リーディングポイントは・・・・
★それぞれの見出しの内容から両記者の発言を読み取ろう
です。
Harris set traps. Trump leaped into them.
ハリスが罠を仕掛けて、トランプがそれに飛び込んだ。
The candidates’ handshake was the first in a presidential debate since 2016.Credit...Doug Mills/The New York Times
候補者同士の握手は、2016年以来の大統領討論会で初めてのことだった。
Ms. Harris dominated the proceedings from nearly the start. She laid bait(釣りの餌). He took it. It began with her needling (チクリと刺す発言)Mr. Trump that his bored (退屈した)supporters had been leaving his rallies. It continued with her comment that he had inherited riches from his father. And on it went as she invoked (呼び起こした)his Republican critics(評論家), including those who served in his administration.
On the back foot, (守勢になり)Mr. Trump repeatedly spun down(陥った) rhetorical(美辞麗句の) cul-de-sacs (袋小路)
.
At one point, Ms. Harris invited viewers to watch a Trump rally for a more unfiltered view of the former president. “You will not hear him talk about your needs,” she said.
ハリス氏はほぼ冒頭からディベートの進行を支配しました。彼女は餌を撒き、彼はそれに食いついた形でした。彼女は、まずトランプ氏の退屈した支持者たちが集会から立ち去っているとチクリと彼をからかいました。そしてトランプ氏は父親から莫大な財産を相続したと続き、さらに、彼の政権で務めた人々を含む共和党の評論家たちの名前をあげながら、彼女の攻撃は続きました。
後手に回ったトランプ氏は、繰り返し聞こえのいい言葉を並べ続け、そこから抜け出しませんでした。
ある場面では、ハリス氏は視聴者に、前大統領の生の姿がもっと見られる彼の集会を見るよう呼びかけました。「彼はあなたのニーズについて語ることはありません」と彼女は言いました。
He responded not by talking about voter needs but about crowd numbers.
“People don’t leave my rallies,” he pushed back.
He went on to invoke (持ち出す)debunked (偽りだと証明されているclaims on the right that immigrants are eating pets in an Ohio city, which led to fact-checking pushback from David Muir, one of the ABC News moderators.
“Talk about extreme,” Ms. Harris laughed her rival off(笑い飛ばす).
それに対してトランプ氏は有権者のニーズについてではなく、(集会に集まった)群衆の人数について語りました。
「私の集会から人がいなくなることはない」と彼は反論しました。
さらに、オハイオ州のある都市で移民がペットを食べているという、すでに否定された右派の主張を持ち出し、ABCニュースの司会者の一人であるデビッド・ミューア氏から、そのことは真実ではないと指摘を受けました。
「極端なことを言うのね。」とハリス氏はトランプ氏を笑い飛ばしました。
Trump played defense on his record.
トランプ氏は自身の履歴について弁明した。
Mr. Trump was frequently on the defensive on Tuesday night. Credit...Nicole Craine for The New York Times
火曜日の夜、トランプ氏はたびたび守勢に立たされた。
Within the first five minutes, Ms. Harris looked into the camera and told viewers what to expect from Mr. Trump: “the same old, tired playbook, a bunch of lies, grievances (苦情)and name-calling(悪口).”
He indeed talked less about what he would do in a second term and spent more time trying to clarify his record. He defended his handling of the pandemic, his decision to fire his top military advisers, and even his seven-year-old(7年前の) response to the deadly far-right (極右の)rally in Charlottesville, Va.
最初の5分間で、ハリス氏はカメラに向かって視聴者にトランプ氏について何を期待するのかと言いました。「同じような陳腐な台本、嘘の数々、不満、罵り言葉ですか」と。
彼は確かに、2期目に就任すれば何をやるかについてはあまり多くを語らず、過去の自身の実績を明らかにすることに多くの時間を費やしました。コロナへの対応、軍の最高顧問を解任したこと、さらにはバージニア州シャーロッツビルでの極右による致命的な集会に対する7年前の対応まで、自身の対応を擁護しました。
Mr. Trump fumbled (たじろいだ)a moment where he had hoped to go on offense (攻撃): the Biden-Harris administration’s handling of the chaotic Afghanistan withdrawal (撤退). Instead, he found himself defending his decision to invite the Taliban to Camp David in 2019.
Ms. Harris forced Mr. Trump to defend his closeness to authoritarians like Prime Minister Viktor Orban of Hungary and his past courtship (ご機嫌取り)of Vladimir V. Putin of Russia, “a dictator who would eat you for lunch,” she said. She even goaded(迫った) him by turning an epithet (軽蔑の言葉)he calls her — “weak” — toward him on national security.
Ms. Harris looked straight into the camera as she pitched herself (自分を売り込んだ)as the candidate of the future and forced him to defend the violence on Jan. 6, 2021. “We don’t have to go back,”
トランプ氏は、攻撃的に展開したい場面でたじろいでしまいました。それは、バイデン大統領とハリス副大統領の政権による混乱したアフガニスタン撤退の処理についてのことです。そこを突かずに、2019年にタリバンをキャンプデービッドに招待した自身の決断は正しかったと言いました。
ハリス氏は、まっすぐカメラを見て、トランプ氏がハンガリーのヴィクトル・オルバン首相のような権威主義者と親しいことや、過去にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と親密な関係を築いていたことについて、どう自分を弁護するのかと迫りました。プーチンについては、「あなたをランチで食べちゃうような独裁者なのよ」と言いました。そして、トランプ氏が国の防衛に対しついて「弱い」と彼女を侮辱した言葉に対し、その言葉を彼自身に向けた言葉として返しました。
ハリス氏は、未来の候補者として自分を売り込み、2021年1月6日の暴力行為について彼に弁明を迫りながら、カメラをまっすぐに見つめ、このように言いました。「私たちは過去に戻る必要はありません。」
明日もディベートの続きをお送りします。
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