Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

発見と感動を与えてくれるニューヨークを英語学習に役立つコンテンツにして毎日お届けしています。

生徒たちを信じてやらせてみよう!きっと予想以上に彼らは考えている!

私たちの生活にとって、影響を及ぼすような大きな選挙があるときは、政治について学ぶ良い機会です。日本は18歳から選挙権が与えられているため、一時は高校の授業でも、現代社会が抱える問題を新聞などのメディアを使った授業をすすめようという動きがありました。今でも続いているでしょうか?


ニューヨークタイムズは、"Learning Network"を通して、先生たちに授業のヒントを与え続けています。今年はアメリカでは大統領選挙があり、日本では総理大臣の選挙があります。今日はニューヨークタイムズが勧める「選挙を生徒にどう教えるか?その12の方法」(こちらです。)の中の次の方法について読んでいきます。(省略があります。)


Follow the news in a way that builds community and media literacy at the same time.


コミュニティーとメディアリテラシーを同時に組み立てる形でニュースを読む


👩この英文の中の「コミュニティー」と、「リテラシー」は、次のような意味で使われています。(定義はロングマンより)
"community"
a group of people who have the same interests, religion, race etc
同じ興味、宗教、人種などを持つ人々の集まり


"literacy"
the state of being able to read and write
読んだり書いたりすることができる状態


今日のリーディングのポイントは・・・


★ニュース記事をどのような意識をもって読むか?


です。


Four years ago, we published an idea from Jessica Kirkland, an English teacher who posed the question(質問を提起した), “How do we treat the events that are shaping our students’ day-to-day lives in these formative (成長の) years as texts worthy of deep reads, analysis, assessment and discussion?” For her, the answer was simple:


We incorporate (組み込む)the news into the curriculum as a core text. We commit to building community within our classes, then use the power of community to let students grapple (取り込む)together with these complex issues.


For tips on how, you might follow her News Groups (ニュース記事について議論するグループ)blueprint.


4年前、ニューヨークタイムズでは英語教師のジェシカ・カークランド氏の授業アイデアを掲載しました。先生は次のような問いを提起しました。「生徒たちの人格形成期の日々の生活を形作っている出来事を、深く読み、分析し、評価し、議論するに足る文章として扱うにはどうすればいいだろう?」その問いについて、先生の出した答えはシンプルなものでした。

「ニュースを主要教材としてカリキュラムに取り入れてればいいのだ。クラス内にコミュニティーを築き、そのコミュニティーの力を活用して、生徒たちが複雑な問題について一緒に取り組めるようにしればいい。」


どのように進めたかについては、先生によるディスカッショングループについての記事をご参照ください。



👩"news group"とは?(ロングマンの定義より)
a discussion group on the Internet, with a place where people with a shared interest can exchange messages
インターネット上のディスカッショングループのことで、そこで共通の関心を持つ人々がメッセージを交換することができる


👩ここからは、カークランド先生が実際にどのように行ったかをとりあげたニューヨークタイムズの記事を見ます。(省略部分があります。)


News Groups: A Simple but Powerful Media Literacy Idea to Build Community


ニュースグループ:シンプルだがパワフルなメディアリテラシーを持ってコミュニティーを構築するアイデア



👩カークランド先生は英語の先生で、主に生徒に原書を読ませてその感想を議論する授業をしていました。読書後の感想で小グループで議論させる際、活発な議論がなされることを経験している先生は、英語の原書購読の授業で教材をニュース記事にしたいと考えていたのです。そこで、ニューヨークタイムズに相談したということです。


ニューヨークタイムズの助言に沿って、先生はまずクラスを小グループに分けることから始めています。(原文はこちらです。)
以下の英文は、カークランド先生によるものです。



Students met biweekly (隔週に)to discuss the news.

After choosing five common topics to track across groups, students each selected a news publication (出版物)and followed the way that publication reported on those topics. Then they met in groups to compare how their publications had covered these topics.


Tthe final five topics we landed on: Election 2020, U.S. Current Events, World Affairs and Issues, Social Issues (each group chose its own focus for each meeting) and Culture and Entertainment.


学生たちは2週間に一度集まり、ニュースについて話し合いました。
グループ全体で扱う共通のトピックを5つ選んだ後、学生たちはそれぞれニュースの出版物を選び、その出版物がそれらのトピックをどのように報道しているかを追いました。その後、グループで集まり、それぞれの出版物がこれらのトピックをどのように報道したかを比較しました。。


最終的に選ばれた5つのトピックは、「2020年の選挙」、「米国の時事問題」、「世界の情勢と問題」、「社会問題」(各グループが各会議でそれぞれ焦点を当てる問題を選択)、「文化とエンターテイメント」でした。


👩"brainstorming"とは?(ロングマンによる定義)
when a group of people meet in order to try to develop ideas and think of ways of solving problems
人々が集まり、アイデアを発展させたり、問題を解決する方法を考えたりする試みを行うこと


Here were some of the questions I had as we began the experiment:


If Student A’s publication presents the topic one way, and Student B’s a completely different way, how will students determine what “the truth” is?


How will students know if they are being subtly influenced by the author’s or publication’s biases? Will they be able to see how those are revealed through the publication’s use of language and framing?


How can students understand that their own identities and biases may affect their interpretation of a text?


この試みを始めた当初、私は次のような疑問を抱いていました。


学生Aの選んだ出版物が学生Bの選んだものとあるトピックについてまったく異なる内容であった場合、学生たちはどちらが「真実」であるのか、どのように判断するのだろう?


学生たちは、どのようにして自分たちが著者や出版物の偏見に微妙に影響されていることを気付いていくのだろう? 彼らは出版物の言語の使い方や伝え方の枠組みから、(そうした偏見が)どのようにして明らかになるのかをとらえることができるのだろうか?


生徒たちは、自分自身のアイデンティティや偏見が文章の解釈に影響を与える可能性があることをどのようにして理解できるだろう?



Can they challenge a narrative, or identify a counternarrative(反対意見)? Can they pinpoint logical fallacies(間違った考え) and attack them with reason?


Journalism isn’t just about words. Will students ask themselves how the selection of one picture over another paints a subject in a particular light and affects its message?


But I needn’t have worried. Week by week, as students collected news articles from their sources, examined and analyzed them, and shared their findings with one another, each group managed in its own ways to tackle all of these questions.


It’s that News Groups did all of these things, while connecting students and allowing them to more deeply understand themselves, their world and how they can be critical thinkers about their news consumption.


内容に異議を唱えたり、反対意見がどんなものであるかが分かるだろうか?論理的な誤りを正確に指摘し、論理的に攻撃できるだろうか?


ジャーナリズムは言葉だけではありません。生徒たちは、ある写真が他の写真ではなく選ばれて、それが特定のテーマをどのように描いているのか、伝える内容にどのような影響を与えるのかを自分自身に問いかけるだろうか?


しかし、心配する必要はありませんでした。週を追うごとに、生徒たちはさまざまな情報源からニュース記事を集め、それらを調査・分析し、自分たちがわかったことについて共有しました。各グループは、それぞれのやり方で、(私が持っていた)全ての疑問に取り組んでいました。


結局、ディスカッショングループは、生徒たちを結びつけ、自分自身や自分たちの世界についてより深く理解しながら、出回っているニュースについて批判的な思考を養うことを可能にしたのです。



明日は、「難しい会話に耳を傾けよう」がテーマです。


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