高校生が作品を創作する前にしたこととは?
今日まで幼稚園生から中学生までの、P.S.Art(公立学校芸術展)の入選作品152点の中から一日2点ずつ紹介してきました。今日は最終回の高校生の作品を見ます。2024年のパンフレットの表紙を飾った作品の生徒と指導者のコメントも読みます。
メトロポリタン美術館のページからです。
こちらです。
今日のリーディングのポイントは・・・
★高校生が作品にとりかかる前にしていることとは何か?
をつかむことです。
Lunar Dinner
旧正月のごちそう
Tammy Liang
Grade: 10
Materials: Oil pastel on paper
Teacher: Laura Blau
タミー・リャン
学年:高校1年生
素材:紙にオイルパステル
指導:ローラ・ブラウ先生
STUDENT:
Art is the highlight of my life. Being an artist allows me to appreciate life a little more. Creating art helps me capture the beauty of things.
Ms. Blau encouraged me when I was stuck (いきづまる)on ideas. She introduced me to new art materials and painting techniques. I was able to freely express myself with her support and guidance.
I was intimidated (圧倒された)by the size of the paper. I’ve never used oil pastels on such a large-scale drawing. I struggled with the mark making as I was experimenting with Impressionism(印象派). I tried my best to mimic (模倣する)this style while keeping my own artistic mark on the work. I would check in with my teacher and my peers to receive feedback, which helped me during the process.
生徒の感想:
アートは私の人生のハイライトです。作品を描くことで、人生をより楽しむことができます。アートを創作しながら物の美しさを捉えることができます。
ブラウ先生は、私がアイデアに行き詰まったときに励ましてくれました。新しい画材や描き方を初めて教えてくれました。先生のサポートと指導のおかげで、私は自由に自己表現することができました。
私は紙の大きさに圧倒されました。これほど大きなスケールの作品にオイルパステルを使ったことがなかったからです。印象派の絵画を参考にしながら、(紙に模様をつけていく)マークメイキングに苦労しました。印象派のスタイルを模倣しながらも、自分らしさを作品に残すよう努力しました。制作過程では先生や仲間たちに確認してフィードバックをもらうことで助けられました。
TEACHER:
At the Summer Arts Institute, I collaborated with Jamie Powell, teaching artist at Studio in a School. For our unit on identity, students discussed various historic and contemporary artists whose work referenced their cultural backgrounds. Students visited the Brooklyn Museum and we viewed Oscar yi Hou’s self-portraits, which incorporated cultural symbols and designs.
One of our pedagogical (教育の)objectives was for students to convey, in their work, aspects of their personal lives and connections to their family backgrounds. Tammy illustrated a family meal for Lunar New Year. I was particularly impressed by Tammy’s brave decision to depict so many different visual textures using oil pastels on paper. Everything was rendered (表現する)realistically.
先生のコメント:
サマー・アーツ・インスティテュートで、私はスタジオ・イン・ア・スクールで教えるジェイミー・パウエル先生一緒に教えていました。我々が行っていたアイデンティティに関する授業では、生徒たちは文化的背景を作品に取り入れたさまざまな歴史的および現代のアーティストについて話し合いました。生徒たちはブルックリン美術館に行き、文化的な要素やデザインを取り入れたオスカー・イー・ホウの自画像を鑑賞しました。
👩オスカー・イー・ホウのポートレートは、下のもののほかに、こちらのページで数多く見ることができます。
私たちの教育目標のひとつは、生徒たちが作品の中で、自分たちの生活や家族の背景とのつながりを表現することでした。タミーは旧正月用の家族の食事を描きました。私はタミーがオイルパステルを使って紙にこれほど多くの異なる視覚的テクスチャを描くという大胆な決断をしたことに特に感銘を受けました。すべてが写実的に表現されていました。
👩Summer Arts Institute(サマー・アーツ・インスティテュート)
ホームページはこちらです。
このホームページにある、「サマー・アーツ・インスティテュート」の一部をご紹介します。
The Summer Arts Institute (SAI) is a tuition-free, month-long summer arts intensive program, serving NYC public school students entering grades 8 through 12. This public-private partnership, hosted by Frank Sinatra School of the Arts with the support of key arts leaders, including Tony Bennett, was designed to increase access to advanced arts training to prepare students for college and career success in the arts. Now in its 18th year, SAI continues to provide approximately 400 students the opportunity to study dance, theater, vocal music, instrumental music, visual art, or film.
サマー・アーツ・インスティテュート(SAI)は、授業料無料の1ヶ月間の夏期集中アートプログラムで、ニューヨーク市の公立学校に通う8年生から12年生の生徒を対象としています。この官民パートナーシップは、フランク・シナトラ芸術学校が主催し、トニー・ベネット氏をはじめとする主要な芸術指導者の支援を受けています。このプログラムは、芸術分野での大学進学やキャリア成功に向けた高度な芸術トレーニングへのアクセスを拡大することを目的としています。18年目を迎えるSAIでは、毎年約400名の学生にダンス、演劇、声楽、演奏、視覚芸術、映画の学習の機会を提供しています。
👩最後は、今年のパンフレットの表紙を飾った作品です。
A Hobby for What
何のための趣味
Kai Barrett
Grade: 11
Materials: Acrylic on canvas
Teacher: Diane Aytche
カイ・バレット
学年:11年生
材料:アクリル画、キャンバス
指導:ダイアン・アイチェ先生
STUDENT:
Art makes things beautiful that often are not. As an artist I have an outlet for (~のはけ口)my thoughts around my personal and academic struggles. Through my self-portraits I am able to represent my feelings. My passion is creating, and art making is one of the many ways that I define myself.
Since sixth grade, my art teacher has challenged me to experiment and go with the flow when creating art. She creates an art space I look forward to being in. My love for extensive projects is because of her.
Working on this painting, I faced my inner turmoil(不安)about whether to pursue a career in art or in programming. I realized that I want to find a way to pursue both.
生徒の感想:
アートは、しばしば美しくないものを美しくします。絵を描いていると個人的なことや勉強の大変さに対する想いを吐き出すことができます。自画像を通して、自分の気持ちを表現することができます。私の情熱は創作であり、絵画の制作は、私が自分自身を定義する多くの方法のひとつです。
小学校6年生のときから、美術の先生に絵を描いているときは、実験し、流れに身を任せるようにと言われてきました。先生は私が参加することを楽しみにしているアートスペースを創り出します。私がより広い範囲の作品に取り組むのが好きになったのは、先生のおかげです。
この絵画に取り組む中で、私は自分の進路を芸術かプログラミングのどちらに決めるか、葛藤するようになりました。そして、私は両方やる道を見つけたいのだと分かりました。
TEACHER:
In this painting unit students selected a topic for which they were to create a series of pieces that demonstrated their artistic expression. The genre (ジャンル) was their personal choice. Journal (作文)writing in response to (~に応じて) prompts (発想のヒント)helped students to self-reflect and develop ideas.
Students created thumbnail sketches (サムネイルスケッチ)exploring composition, two-dimensional design, and mark making. Exploration of artists such as Frida Kahlo, Élisabeth Vigée Le Brun, Oscar yi Hou, and Leonora Carrington gave students many ideas. Conferencing and peer-to-peer critique provided vital feedback. Kai truly demonstrates artistic expression in her work.
先生のコメント:
この絵画の授業では、生徒たちは自分の芸術表現を表す作品テーマを選びました。ジャンルは各自の選択です。生徒たちは、発想のヒントに応じてジャーナルライティングをして、考えを発展させていきました。
生徒たちは構図、二次元デザイン、マークメイキングでどんな手法を使おうかと考えながら、サムネイルスケッチをしました。フリーダ・カーロ、エリザベート・ヴィジェ・ルブラン、オスカー・イ・ホウ、レオノラ・カリントンなどの芸術家の作品を研究することで、生徒たちは多くのアイデアを得ました。話し合いや生徒同士でコメントし合い、それらは重要なフィードバックとなりました。カイはこの作品で実にうまい芸術的表現をしています。
👩"thumbnail sketches"(サムネイルスケッチ)とは、"thumbnail"(親指の爪)くらい小さなスケッチ画のことで、 本格的に書き始める前に、イメージをつかむために別の紙などに小さく描きます。
👩生徒たちの作品を仕上げていく過程がつかめたように思います。年齢に関係なく、まず自分を見つめて、自分が表現したいことを考えることだと思います。先生の役目はそのプロセスの手伝いをするということです。
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