ニューヨークで大学に行く意味を考えさせられた。もう一度大学に入り直したくなる。
ニューヨークの地下鉄の広告は結構大きい。バーッと横に長くつながっていたりする。それが2枚に渡るものもある。だから目立つ。向いのシートに座っていても読めるくらい文字が大きい。それからイラストが多い。中にはかなり芸術的な絵も。
日本の地下鉄との違いを考える。そうだ、棚やつり革がない!だから、向いのシートからもよく見える。つり広告もないな。だから視界をさえぎるものがない。
ブラウンの単色背景に薄いイエローの文字が目を引きました。思わず読みたくなるような広告。
やっぱり気になるそのワーディング。
"Earning a college degree doesn't mean you have to break the bank!"
(大卒の資格を得ることは、お金がかかるということではないです。)
これだけで、しゃれてるなーって思う。
"earn"という単語を使っているのもいい。実際に「お金を得る」という意味と同時に「獲得する」という意味があるからね。
"break the bank"というのは、否定文で使って「大した額にはならない」とか、「お金がかからない」というイディオムです。
左下は・・・
LIBI : Long Island Business Institute ロングアイランドビジネス学院
The College for Career Education キャリア教育大学
(キャリア教育というのは、社会的自立をめざして仕事に必要な能力をつける教育のことです。)
と書いてあります。そしてその横の〇の中は、実際LIBI (ロングアイランドビジネス学院)で学ぶと、このような仕事につくことができますという例です。
Business Management 企業経営
Accounting 経理
Homeland Security & Security Management 警備保障 安全管理
Hospitality Management ホスピタリティマネジメント (サービス業関連)
Office Technology Medical with Medical Office 医療事務
Office Technology 秘書業務やインターネット関連
実際に"LIBI"のHPはこちらです。
その横に貯金箱(a piggy bank)のイラストがあるのもいい。"a piggy bank"は実際にブタの貯金箱をいうこともあるけど、一般には貯金箱のことです。
もうちょっと近くに行って、右側写してみます。
貯金箱の中には、次のようにかいてありました。カッコ内はMisTyの補足説明です。
Just ask the 95% of our students who didn't take out a student loan in 2016.
2016年度の学生ローンを利用しなかった学生の95%に聞いてみたよ。
(吹き出しのセリフの部分は、ブタ君とめでたく大学を卒業した人たちの会話になってるようです。)
ブタ君:With the "Excel at LIBI Scolarship" you can receive up to $2,000 each semester to complete an associate degree. Don't mis out!
「Excel at LIBI Scholarship---エクセル・アット・LIBI(Long Island Business Institute)奨学金」を使えば、短大卒資格獲得するのに学期ごとに最大2,000ドル(約21万円)まで受け取ることができるんだね。これを逃す手はないよ!
学生:Transfer your LIBI credits to earn a bachelor's degree in less time.
学士の資格取得にLIBIの単位が使えるわよ。時間短縮。
ブタ君:Financial aid available if you are qualified.
審査に通れば学資免除もあるね。
学生:Get your GED & associate degree at the same time.
GED(General Education Development Test 高卒資格)と短大資格が同時に取得 できるのよ。
(そして、見事にLIBIを卒業した人たち。そこには、次のように付け加えられています。)
A+
Get a handle on success today!
評価はA+ 今の成功の情報を手に入れよう!
("get a handle on ~"は、「~の情報を得る」という意味があります。)
LIBI forever better
LIBIは永遠にベターだ
(ここは、単にキャッチコピーなので、文法的に考えるより読んだときのリズムや韻を踏んでいるところを感じるだけにしよう。)
ニューヨークの地下鉄の広告には、このように学生に「学歴」を手にして安定した職につこう、と奨励するものが多いと思います。日本では、ほとんどが高校卒の資格を持っていますが、ニューヨークでは、高校中退者が結構多いのです。もちろん、才能があって学歴関係なく成功している人もいますが、現実的には学歴がないために、低賃金の労働しかできない若者もいるのです。ニューヨークで感じるのは、「生徒募集!」で学生の人数を集めるのに一生懸命になるのではなく、「やる気があれば応援するよ!」感覚で呼びかけている気がします。
この広告、もっと右に続いているの。明日公開します。
Englishラボ
MisTy