Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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いきなり『死ぬ準備ができていますか?』という出だしのスクラッチ!

ニューヨークタイムズの『スクラッチというコラムは、ライターのシャイナ・フェインバーグ( Shaina Feinberg )とイラストレーターのジュリア・ロスマン(Julia Rothman)の二人によって、大体1カ月に1度の割合で、執筆されています。


街に飛び出しての突撃取材のスタイルなのですが、その内容はとても真剣で、英文は適度な量で読みやすいです。イラストは写実的で人物がとても身近に感じられます。


それが去年の12月から掲載されていなかったので、何かあったかなと心配していたのですが・・・!ついに!出ました!


それも、タイトルが、「ママに死ぬ覚悟ができているか聞いた」でした!


"be prepared to ~"は「~の準備ができている」、「~する覚悟ができている」、という日本語表現になりますが、"die"という単語で直球が飛んできたので慌てました。"be prepared to die"が、「死ぬ準備ができている」では日本語では「これから死ぬ」というシチュエーションも考えられるからです。


日本語には、「終活」という便利な単語があるので、文中では「終活」と表現してみました。しかし、タイトルではこのような漢字を省略したような表現は避けたかったので、「最期を迎える準備」というようにしてみました。それにしても、「なぜ、この内容?」と思いますが、読んでから「さすが、ニューヨークタイムズの人気ライターとイラストレーターだ!」と思いました。


原文、画像はこちらからです。
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I Asked My Mom if She Was Prepared to Die
母に最期を迎える準備ができているかどうか聞いてみた


Then I talked to some end-of-life experts. Here’s what I found out.
そして、終末期の専門家たちに話を聞いてみた。そこでわかったことはこうだ。


By Shaina Feinberg and Julia Rothman
(Shaina is a writer and filmmaker who interviewed her mother for this story. Julia is an illustrator.)
シャイナはライターで映画監督でもありす。この記事のために母親にインタビューを行いました。ジュリアはイラストレーターです。


March 16, 2024


Recently, I had the following conversation with my 82-year-old mother, Mary:


最近、私は82歳の母のメアリーと次のような会話をしました



Me: Are you prepared to die?


私:最期を迎える準備ってしてる?


My mom: Not really. But I am prepared with my paperwork.


母: 特にしてないわ。でも、事務的な準備はしてる。



You might be wondering why I was asking my mom about her end-of-life preparedness. Well, when my dad, Paul, died suddenly a few years ago, we were completely unprepared.


なぜ私が母に終末期の備えについて聞いているのか不思議に思われるかもしれませんね。実は、数年前、父ポールが急死したとき、私たちはまったく準備ができていませんでした。


“Dad and I never talked about what he wanted for his funeral,” my mom said. “He was 74 when he died, and he was in pretty good shape.”


「お父さんとはどんなお葬式にしてほしいかということで話したことはなかったわ。亡くなったのは74歳のときで、かなり元気だったしね。」と母は言いました。





On top of everything she had to do when he died, like planning the funeral, there was also the stress of finances and paperwork. “We had a joint checking account, but it didn’t have a lot of money. Our other bank account had more money, but was only in his name. I had to get that sorted out, which took ages.”


父が亡くなったとき、母はまず葬儀の準備をしなければなりませんでした。それに加えて、お金のことや事務的な届け出に大変な思いをしました。「お父さんとの共同当座預金口座があったけれど、そこにはあまりお金が入ってなくてね。違う銀行の口座に入っていたお金はそこより多かったけれど、名義がお父さんだけだったの。それを整理しなければならなくてすごく時間がかかったわ。」と言いました。


The most helpful advice my mom got when my dad died? “My best friend, Fran, told me, ‘Get a lot of death certificates because you’re going to have to send them to people and sometimes they don’t want a Xerox, they want the real thing.’ I got 15 death certificates from the funeral parlor.”


父が亡くなったとき、一番役に立ったアドバイスは何だったかと聞いてみました。するとそれは親友のフランからの次のようなアドバイスだったそうです。「死亡証明書はたくさんもらっておくほうがいいよ。色々なところに送らなきゃいけないし、コピーじゃだめというところがあるから。僕なんか葬儀屋に15通もらったよ。」


Preparing to die is complicated. How’s that for an understatement? You have to consider the emotional, spiritual and financial aspects. We talked to three end-of-life experts who unpacked how to make this extensive undertaking slightly more manageable.


終活は複雑なものです。控えめに言っても、感情的、精神的、経済的な面を考慮しなければなりませんから。そこで、終末期の専門家3人に話を聞いて、この大仕事を少しでも楽にできる方法を教えてもらいました。


According to a survey by Ethos, fewer than half of Americans have discussed their end-of-life plans with loved ones. Yet having these conversations is important, said Sarah Chavez, executive director of the nonprofit the Order of the Good Death, which provides resources to learn about and plan for death.


葬儀会社であるエトスの調査によると、愛する人と終末期の計画について話し合っているアメリカ人は半分以下だそうです。しかし、このような話をすることは大切だと、死について学び、終活に役立つ材料を提供する非営利団体である 『オーダー・オブ・ザ・グッドデス(Order of the Good Death)』 のエグゼクティブ・ディレクター、サラ・チャベス氏は言っています。


“These talks can be awkward,” Ms. Chavez said, “but by planning and talking about these things, it’s such a gift for the family that’s left behind.”


チャベス氏は、「このような話し合いはやりづらいですが、終活の中で色々話し合っておくことは、残された家族への贈り物です。」と言います。


While you’re thinking about what to do with your body, you’ll also want to consider what to do with your stuff. “At a baseline, everybody should have a couple documents that are in effect while you’re alive,” said Michael Pevney, an estate planning lawyer with a practice in California. (He also makes videos about estate planning on TikTok.)


自分の体をどうするか考えながら、自分が持っているものをどうするかも考えておくことが大切です。「当然、誰もが有効ないくつかの書類を生きている間に作っておくべきです」と、カリフォルニア州で開業している財産計画弁護士、マイケル・ペブニー氏は言っています。彼はティックトックで財産計画に関するビデオも作っています。


No matter what you decide to do with your body or your stuff, you will need someone to carry out your requests.


遺体や遺品をどうするか自分で決めるにしても、ご自分の要望を実行してくれる人が必要です。


If you’re unwilling to ask your loved ones about their death preparations, there are other ways to broach the subject. “The easiest way is to open the family photo album and start having conversations about the people in the pictures,” said Joél Simone Maldonado, a funeral director and death educator. 


愛する人に終活について聞きたくないのであれば、その話題を切り出す方法は他にもあります。「最も簡単な方法は、家族が写っているアルバムを開いて、その中の人々の話題から始めることです。」と、葬儀ディレクターで終活について教えてくれるジョエル・シモーヌ・マルドナード氏は言います。


“The conversation always turns to what people did or didn’t like about a funeral or grieving process.” Mrs. Maldonado suggests using those conversations as a springboard to ask questions about what people’s end-of-life hopes are. And take notes.


「そうすると必ず、葬儀や悲しみの中で何をやってもらいたくて何をやってもらいたくないかに話が及びます。」マルドナード氏は、そのような会話をきっかけに、人々の終末期の希望について聞いてみて書き留めておくといいでしょう、と言っています。




The only upside to being so unprepared for my dad’s death is that now my mom is super prepared. “I have several folders in a cabinet that have all the things you should do when I die,” she said. “I’ve listed you as power of attorney, so you can write a check for the funeral. I’ve paid for my gravesite already. I’ll be next to Dad, under the same gravestone.”


父の死に対して何の準備もしなかったことでただ一つ良かった点は、母が超準備万端にしていたということです。母は私にこう言っています。「キャビネットの中に、私が死んだらあなたがしなきゃいけないこと全部をフォルダーに置いておくからね。あなたを代理権者にしたから、葬儀代の小切手にサインしてね。もう墓所の支払いは済ませたから、私はパパと同じ墓石でパパの隣に並んで入るわ。」


When I asked my mom how she feels looking at the empty side of the gravestone, she said: “There’s my side. I have a place! Oh, and remember,” she added, “I’ve always wanted a mariachi band at my funeral.” Noted.


墓石の父の名前の横に何も書いてないのはどうして?と母に尋ねると、母はこう言いました。 「そこに私の名前が入るのよ。私の場所がとってあるのよ!」そして、こう付け加えました。「私はいつも自分のお葬式にはマリアッチバンドをよんでほしいと思ってるからね。」はい、メモしました。



😀 次の墓石のイラストを見ると、姓しかかいてありませんね。その左下にお父さんの名前が書いてあり、"MUCH LOVED HUSBAND"(とても愛された夫)という文字が見えます。お母さんは、お父さんの名前の横に自分の名前を書いて"MUCH LOVED WIFE"と書いてもらおうと思っているのですね。確かに完璧字準備されていました!





これがマリアッチバンド!お葬式にこれを呼んでほしいって!?
素敵なお母さまですね!



Mariachi Sol De Mexico Perform Guadalajara | GRAMMYs

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