NYのイサム・ノグチ美術館を市が莫大な費用で改修!
イサム・ノグチ(野口勇)については、3分で分かる素晴らしい動画がありました。(日本語)まずはそちらをご覧ください。
今日は、ARTnewsの、ニューヨーク市がイサム・ノグチ美術館修復のために450万ドルを投資したというニュースを読みたいと思います。(2022年の記事です。)
こちらからです。⇓
Noguchi Museum Gets $4.5 M. from NYC to Restore the Celebrated Sculptor’s Queens Studio
ノグチ美術館、クィーンズ区にある著名彫刻家(イサム・ノグチ)のアトリエ修復のためにニューヨーク市から450万ドル(約6億円)を獲得
BY TESSA SOLOMON
Isamu Noguchi with Akari light sculptures in 1968.
1968年、光の彫刻「あかり」とイサム・ノグチ。
©THE ISAMU NOGUCHI FOUNDATION AND GARDEN MUSEUM, NEW YORK/ARTISTS RIGHTS SOCIETY (ARS)
New York City will invest $4.5 million in the ongoing revamp of the Isamu Noguchi Museum, steward of the celebrated Japanese American artist’s sculptures and designs, city officials announced Thursday.
ニューヨーク市は、著名な日系アメリカ人アーティストの彫刻やデザインを展示するイサム・ノグチ美術館の改修に450万ドルを投資すると木曜日に発表した。
The announcement came from Laurie Cumbo, the city’s Department of Cultural Affairs (DCLA) commissioner, who visited the Noguchi Museum Thursday, just blocks from the Long Island City riverfront.
この発表は、木曜日にロングアイランドシティのリバーフロントからわずか数ブロックのところにあるノグチ美術館を訪れた市文化局(DCLA)のローリー・クンボ局長が行ったものである。
Cumbo announced that the museum had been awarded $4.5 million in capital funding, $1.5 million of which came from Mayor Eric Adams and the rest from Queens Borough President Donovan Richards. The funds are part of a landmark $220 million investment from the DCLA and City Council and Borough Presidents in more than 70 cultural organizations citywide, including the Queens Museum and the artist-run residency program Flux Factory.
このうち150万ドルはエリック・アダムス市長から、残りはドノヴァン・リチャーズ・クイーンズ区長からのものである。この資金は、クイーンズ美術館やアーティストが運営する研修制度「フラックス・ファクトリー」を含む、市全体の70以上の文化団体に対する市文化局(CDLA)と市議会、区長による画期的な2億2000万ドルの投資の一部である。
The cornerstone of the Noguchi Museum’s expansion and unification project is a restoration of the artist’s original 1959 living and studio space situated opposite the museum. When completed, the public will be able to tour the studio building for the first time in its history.
ノグチ美術館の拡張・統合プロジェクトの要となるのは、美術館の向かいに位置する、1959年にノグチが建てた住居兼アトリエの復元だ。完成すれば、美術館史上初めて一般公開されることになる。
Brett Littman, director of the Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, said in a statement: “Isamu Noguchi was a fearless, category-defying, cross-disciplinary polymath, and our new Noguchi campus, which will include the Art and Archive Building and the renovation of his 10th Street studio and apartment, will allow us to better reflect on the complex nature of Noguchi’s work and life.”
イサム・ノグチ財団庭園美術館のブレット・リットマン館長は声明で次のように述べている。 「イサム・ノグチは、大胆不敵で、カテゴリーにとらわれない、分野横断的な多才な人でした。アート&アーカイブ・ビルディングと10丁目のアトリエとアパートの改修を含む新しいノグチ・キャンパスは、ノグチの作品と生涯の複雑な性質をよりよく考察することを可能にするでしょう」。
Plans to unify and expand the Noguchi campus were first announced in April 2019. It includes a new two-story, 6,000-square-foot building adjacent to Noguchi’s studio to house the museum’s collection and archival material.
ノグチ・キャンパスの統合・拡張計画は、2019年4月に初めて発表された。これには、ノグチのアトリエに隣接する2階建て6,000平方フィートの新しい建物が含まれ、美術館のコレクションとアーカイブ資料を収蔵する。
Noguchi was born in 1904 to a Japanese poet father and an American writer mother. He moved to New York in in the early 1960s, establishing a humble base in Long Island City, then a metal-working district, which he described as “a house inside a factory.” His world-renowned practice spanned furniture design, outdoor sculpture, and theater sets, all marked by his use of natural elements that evoked organic forms. Noguchi died in 1988, only three years after founding his namesake museum and sculpture garden.
ノグチは1904年、日本人の詩人の父とアメリカ人作家の母の間に生まれた。1960年代初頭にニューヨークに移り住み、当時は金属加工業が盛んだったロングアイランド・シティに質素な拠点を構えた。それを彼は、「工場の中の住まい」と呼んだ。彼の世界的に有名な活動は、家具デザイン、野外彫刻、舞台装置など多岐に渡り、有機的なフォルムを想起させる自然の要素を用いた作品が特徴的。ノグチは、自身の名を冠した美術館と彫刻庭園を設立したわずか3年後の1988年に死去した。
Isamu Noguch 庭園美術館のサイトがこちらにあります。
http://www.isamunoguchi.or.jp/
次の説明は同サイトからの転載です。
20世紀を代表する彫刻家イサム・ノグチは、モニュメント、庭や公園などの環境設計、家具や照明のインテリアから、舞台美術までの幅広い活動を行った、きわめてユニークな芸術家です。1956年、初めて庵治石の産地である香川県の牟礼町を訪れたノグチは、1969年からは五剣山と屋島の間にあるこの地にアトリエと住居を構え、以降20年余りの間、NYを往き来しながら石の作家である和泉正敏をパートナーに制作に励みました。
イサム・ノグチ庭園美術館は、この地が未来の芸術家や研究者、そして広く芸術愛好家のためのインスピレーションの源泉になることを強く望んでいたノグチの遺志を実現したものです。150点あまりの彫刻作品はもとより、自ら選んで移築した展示蔵や住居イサム家、晩年制作した彫刻庭園など、全体がひとつの大きな「地球彫刻」、あるいは環境彫刻となっています。出来うる限り、生前の雰囲気そのままで環境そのものを公開し、専門的な調査・研究のためのアーカイブ(資料研究空間)となっております。ジャンルを超えた宇宙的でコスモポリタンな、開かれたノグチの世界像を心ゆくまで味わっていただきたいと思います。
ニューヨークを知って、ニューヨークで活躍していた日本人にルーツをもつ芸術家を知ることができました。
連休の間の芸術鑑賞に如何でしょう?
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