Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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メトロポリタン・ダイアリーを読んで、ニューヨーク気分!

連休後半の特別企画「メトロポリタン・ダイアリーを読もう!」として、3日間、MisTyが厳選したニューヨークタイムズの読者による「メトロポリタン・ダイアリー」への投稿を取り上げます。他の記事にはない、喜びや驚き、悲しみといった感情が溢れておりその単語の選び方や表現方法には学ぶところが、あります。


もう一つ注目したいのが、Agnes Lee.(アグネス・リー)さんによるイラストです。彼女のイラストが、ダイアリーの内容を実によく表していて、周りの空気まで伝えてくれるのです。見ていると自然にニューヨークの雰囲気に包まれます!


書き出しにある、"Dear Diary:"というのは、直訳すると「親愛なる日記さんへ」となります。英語で日記を書くときの決まり文句です。


今日選んだダイアリーには、ご高齢のご婦人が書かれた、上品な言葉選びと表現があるので、文中のその場所の単語や表現に色を変えたり下線を引いたりしてみました。真似して使いたいところです。では、どうぞ。


‘The Pearl Fishers’
『真珠とり』


April 7, 2024

Dear Diary:

I am 84 and have been fortunate to spend decades devouring Manhattan’s cultural scene. I have slowed down a bit now because of my age and balance issues, and I keep my social and cultural events confined to daylight hours.


Not long ago, though, I was invited to an evening gathering that I just couldn’t resist. The late hour meant taking a cab home, something I mostly avoid.


As the cab pulled up, I noticed that the driver was very scruffy, and my anxiety increased. But I needed to get home, so I pushed my trepidation aside and got in.


Imagine my surprise when I was greeted by the sound of my favorite opera duet.


“Oh,” I said with great astonishment, “‘The Pearl Fishers.’”


“You know your opera,” the driver replied. He began to sing along with the recording beautifully and continued until we got to my home.


When we arrived at my building, he waited until I was safely inside the front door. It was the best cab ride I had ever had in more than 50 years of living in Manhattan.


— Jan Keith


私は84歳で、幸運にもマンハッタンの文化にのめりこんで何十年にもなります。年齢の問題とちゃんと歩くことが難しくなってきたので、今は少し生活のリズムを落とし、お友達とお話ししたり、文化的な催しに行ったりすることは、日中に限ることにしています。


しかし少し前、ある夜の集まりに招待され、行きたくてしかたなくなりました。終わったのが遅い時間だったので、いやだったのですが仕方なくタクシーで帰宅することにしました。


タクシーが停まったとき、その運転手がとてもむさくるしい感じの(scruffy)人だったので、不安な気持ちになりました。しかし家に帰らなければならなかったので恐怖感(trepidation)を抑えてタクシーに乗り込みました。


ところがそのとき、驚いたことに、私の大好きなオペラの二重唱(opera duet)が聞こえてきたのです。


「あら、『真珠採り』ね」と、私は驚きの気持ちで言いました。


「オペラがお好きなんですね。」と運転手は答えました。彼は録音された曲(the recording)に合わせて見事に歌い始め、私の家に着くまで歌い続けました。


私のマンション(my building)に着くと、彼は私が無事に玄関の中に入るのを見届けてくれました。50年以上マンハッタンに住んでいて、最高のタクシーでした


- ヤン・キース



オペラ『真珠とり』のひと幕です。



Bizet's The Pearl Fishers ǀ English National Opera



同じ内容でも、20代の女性が書いたら、多分こういう英文ではないと思います。
上品な英文というものはこういう文のことだと思いました。
しかし、運転しながらオペラを歌うのはちょっと危なくないですか・・・?



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