タキシードのシャツを忘れたことで最高の一日になった!
忘れ物をしたときは動揺しますね。特に普段持ち歩いていないものは、うっかり置き忘れたり、反対に持って行くのを忘れたりすることがあります。
落としたり忘れたりしたことは、ショックが大きいほどよく覚えているものです。思い返してみると、バイクから後ろの荷物を落とした、財布を忘れた、携帯を忘れたなど色々あります。しかし、そのほとんどが戻ったのです。しかも、なくしたそのままの状態で。
こうしたことは、日本だけかもしれません。特に旅行先では戻って来ないと言われています。今日のエピソードは、持ってくるのを忘れた話ですが、思いもかけないことが起こって解決します。
また、リーディング力を高めるための英文としては、とても良い内容と長さだと思います。日本語は自分の理解の確認として、速読してみてください。
Tuxedo Trouble
Dear Diary:
In town for a black-tie wedding at the Plaza, my wife and I spent a leisurely afternoon enjoying an unseasonably warm December day.
When we got back to our room at a nearby hotel, I discovered that I had left my tuxedo shirt at home. I called down to the concierge and explained my situation.
“Hmm,” she said. “Well, you can run out and buy a shirt.”
“But the wedding is in a half-hour,” I replied.
“Sorry, sir,” she said. “I hope you make it. Good luck.”
Running downstairs in search of a store, I passed through the lobby’s revolving doors and noticed that the bellmen were wearing white shirts.
I went back in.
“Excuse me,” I said to one who looked about my size. His name was Paul. “I’ve got a wedding in 25 minutes and no shirt. Can you help?”
He hesitated.
“What size are you?” he asked.
“Sixteen neck, 32 sleeve,” I said.
He disappeared through a side door and came out minutes later holding a freshly laundered white shirt, on a hanger no less.
I could have kissed him. Instead, I thanked him profusely and handed him $50.
After a late checkout the next morning, I found Paul to return the shirt and get my checked bags.
He asked about the wedding, and I joked that we had looked great together. He began to walk away and then turned back.
“Thanks for showing my shirt a good time last night,” he said.
— Barry Offitzer
タキシードトラブル
マンハッタンにあるザ・プラザでの格式の高い結婚式に出席するため、妻と私は季節外れの(unseasonably)暖かい12月ののんびりとした(leisurely)午後を過ごしました。
👩"town"が無冠詞です。「(賑やかな)中心街」を表します。ここでは「マンハッタン」に当たるでしょう。
"leisurely"は形容詞です。
近くのホテルの部屋に戻ったとき、私はタキシードのシャツを家に忘れてきたことに気づき(discovered)ました。私はコンシェルジュに電話をかけ、状況を説明しました。
「そうですか、じゃあ、シャツを買ってくるといいですよ。」と彼女は言いました。
「でも、結婚式は30分後なんです。」と私は言いました。
「すみません。間に合うといいですね。頑張ってください。」
私は店を探しに階段を駆け下り、ロビーの回転ドアを過ぎると、ベルボーイが白いシャツを着ていることに気づきました。
私は中に戻りました。
彼の背格好が大体私と同じだと分かり、「すみません。」と声をかけました。彼の名前はポールでした。「あと25分で結婚式なのにシャツがないんです。助けてもらえませんか?」
彼はためらいました。
「サイズは?」と聞きました。
「首が16で袖が32です。」と答えました。
彼は脇のドアから姿を消し、数分後に洗濯したての白いシャツ(freshly laundered white shirt)をハンガーにかけたまま出てきました。
👩"shirt"と"on"の間に「カンマ」があることに注目です。「ハンガーにかかっているシャツ」とシャツを限定しているのではなく、「そのシャツはハンガーにかかったままだった」と説明を加えている形(叙述用法)で書かれています。カンマひとつのことですが、大きな働きをしています。
👩"no less"をこのように使うと、強調として使えます。「まさにそれ」とか、「ズバリだよ」といった感じになります。数字の前に置いて、"no less than 数字"のように使うと、その数字を強調する使い方ができます。
彼にキスしたいくらいでした。その代わり、私は彼に深く感謝して50ドルを手渡しました。
翌朝、遅いチェックアウトの後、ポールを見つけてシャツを返し、預けた荷物を受け取りました。
彼は結婚式はどうだったかと聞かれ、私は冗談で、私たちはとてもお似合いだったよと言いました。彼は立ち去ろうとしてから振り返って
「昨夜は僕のシャツに楽しい時間を見せてくれてありがとう」と言いました。
- バリー・オフィッツァー
著者にとっては、格式ばった結婚式の想い出よりも、このタキシードのシャツの想い出のほうが強く心に残ったのではないかと思います。
ベルボーイが振り返って言った最後のひとこと、“Thanks for showing my shirt a good time last night,”は、なかなか言える言葉ではありません。何気なくこういうひとことが言えるセンスがまたニューヨークなのかな。
MisTyにも同じような思い出があって、ジムでもうすぐレッスンが始まるというとき、ジムパンツを忘れたことに気付きました。そのジムでは有料で貸し出しもしていたので、フロントで頼もうとしたら、インストラクターの一人が「私はいつも数枚持って来ているから、使って!」と言って素敵なジムパンツを持って来てくれたのです。「ジムで貸し出してるのはダサイからね。」のひとことがさらに私をハッピーにしてくれました。その日のレッスンはいつもより心が弾むものになりました。
Englishラボ
MisTy