Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

発見と感動を与えてくれるニューヨークを英語学習に役立つコンテンツにして毎日お届けしています。

自転車で災難に会って、リンデンヒル墓地に行くことになった理由とは?

英語を教えるということは、発見と感動があるのだといつも思います。自分にとっても学習者にとってもです。それは出会いです。今日は素晴らしい日記に出会うことができました。なぜ、涙が出るのかわかりません・・・。



             イラストはAgnes Lee.(アグネス・リー)さんです。



Stopped at the Cemetery


Dear Diary:
The woman who nearly ran me over with her S.U.V. on Metropolitan Avenue last year was headed to the cemetery.
She must have been terrified to see a pair of legs sticking out from under her front fender, where I landed when my bike hit a pothole. 
The impact wrenched my saddle from its post.


去年メトロポリタンアベニューで女性の運転するSUVにひかれかけました。その人は墓地に向かっていました。
彼女は自分のフロントフェンダーの下から両足が突き出ているのを見て、驚愕したに違いありません。私の自転車が道路の穴にはまったとき、私は彼女の車のフロントフェンダーに投げ出されてしまったのです。
衝撃で、私の自転車のサドルはねじり取られていました。


I begged her to take me the rest of the way to Queens College, where I was to teach a class. I can only imagine what she thought of the sweating, grimy person in a helmet who was making this request. Nonetheless, we were soon on our way.
We stopped at Linden Hill Cemetery to visit her husband’s grave.
May his memory be a blessing, I said when she returned to the car.


私はそこからクィーンズカレッジまで連れて行ってほしいと頼みました。そこで私は授業をしなければならなかったのです。彼女が、ヘルメットをかぶった、頼み事をしている一汗とほこりにまみれた男をどう思ったか、想像できます。それにもかかわらず、彼女は私を乗せてくれたのです。
私たちは、リンデンヒルの墓地で止まり、彼女はご主人のお墓に向かいました。そして彼女が車に戻ってきたとき、私はご主人のご冥福をお祈りしますと言いました。


Back on the road, she asked what subject I taught.
Literature, I said.
Her face lit up and she began to rattle off names: Pushkin! Dostoevsky! Tolstoy! Babel and Akhmatova. And Gogol. Gogol!
道を走りながら、彼女は何を教えていらっしゃるんですかと聞きました。
文学です、と言うと、彼女の顔が輝き、作家の名前をスラスラと口にし始めました。プーシキン!ドストエフスキー!トルストイ!バベルにアフマートヴァ。それから、ゴーゴリ、そうゴーゴリ!


It had been her husband’s idea to leave Russia, she said, and now that she was here alone, these were the writers who sustained her.
I told her how much I enjoyed some of them, although in English.
She beamed.
When she dropped me at the campus gate, she asked how I would get home. I told her that I’d manage, and headed off toward class.
— Eric Lehman


ロシアを離れてニューヨークに来るというのは、彼女のご主人の考えだったそうです。そしてこの地で彼女は一人になり、彼女を支えたのは、これらのロシア作家たちだったのです。
私はその作家の作品のいくつかを読みましたよ、良かったです、ただし英語でですけどねと言いました。
彼女は輝いていました。

彼女は私を大学の門のところで降ろし、私にどうやって家に帰るのか尋ねました。何とかしますよと言って私は授業に向かいました。

---エリック・レーマン 



リンデンヒル墓地は、こういうところです。



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