Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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コロナのデザインのようなプラークを見つけた。その詩の作者が、超〇〇!

こんなご時世なので、作家が中国人で、デザインがコロナのようで、タイトルが"Graveyard"(墓場)となると、どんな詩の内容なのか読みたくなります。


写して、読みますね。



Now, on my heart's page       今、わたしの心のページには
there is no grid to guide my hand,   手を導いてくれる線がなく、
no character to trace,         写して書ける文字もない
only the moisture,          インクの湿りだけ
the ink blue dew           それは青い雫(しずく)
that has dripped from         葉っぱから
the leaves.             落ちてきた雫
To spread it I            それを広げるために使えるのは
can't use a pen,           ペンではなく
I can't use a writing brush,       筆ではなく
can only use my life's         私の優しい息
gentlest breath            私の命の息だけ
to make a single line of        雫から生まれる一本の線を作ろう
marks worth puzzling over.      考えを巡らす価値のある線を


Gu Cheng (1956-)
“Forever Parted: Graveyard”


コロナとは全く関係のない内容でしたが、何か心に刺さるものがあります。
英文自体、中国語の英訳となりますので、またそれを日本語にするというのは、詩の解釈も含めて、作者の意図するところとは異なるかも知れませんが、それぞれの感じ方で解釈すればいいと思います。


作者の Gu Cheng(顧城)は、中国の著名な現代詩人です。


この詩が載っている"Forever Parted : Graveyard"(永遠に別れて:墓地)については、分かりませんでした。このプラークができた時にはまだ亡くなっていなかったのですね。享年が書いてありません。しかし、本のタイトルから、何か死を連想させます。


彼は、1993年に37歳の若さで亡くなりました。
妻を斧で誤って死なせてしまい、自分は首をつって自殺したという悲惨な最期です。




彼を一躍有名にした、たった2行の詩がありましたので、載せます。


 "一代人"


黑夜给了我黑色的眼睛
我却用它寻找光明


"A Generation"  (translated by Juan Yuchi)

ひとつの時代に生きる


The darkest night gave me my dark-colored eyes
Yet with them I'm seeking light

暗闇の夜は僕に暗闇色の目を与えた
しかし、その暗闇色の目で僕は光を探している



中国語がお分かりの方は、きっと違う解釈をなさると思います。
英語を基本にして日本語にしてみましたが、タイトルの"A Generation"をどう捕えて良いのか考えさせられました。中国語の漢字を見ると、「一代人」なので、「一つの時代に生きる人間」という意味で、自分は新しい光を求めて暗い時代を生きているといった感じを出したいと思ったのですが、「新時代」では、ちょっと明るすぎます。「人」という漢字がついているので、人間味も出したい。結局「ひとつの時代に生きる」にしてしまいました。。。


画像を検索すると、あまりにもカッコイイので、ちょっとドキドキしました。
彼の詩の英訳をもう少し探したくなりました。



              Gu Chen(顧城)


English ラボ
MisTy

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