Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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ニューヨーク市長に対して出されている要請書を読みます。

日本でも、市長宛てに要請書を出すことがありますが、その書き方は普通のメールや手紙とは違って、言葉遣いに気を付けたり、内容を精査したりして、かなり気を遣うものです。


今日はニューヨークの道路事情の改善について、TA(Transportation Alternatives---代替交通輸送を考える会)が市長宛に出す要請書を読みますが、その前に、まず要請書を出そうと呼びかける英文がありますので、それを読みます。


こちらに原文があります。





Mayor de Blasio, DO SOMETHING
Since Mayor de Blasio took office, more than 1,000 pedestrians, cyclists, e‑bike and e‑scooter riders have died, a far cry from the goals of the Vision Zero program. Join our call to demand Mayor Bill de Blasio DO SOMETHING to stop fatalities and serious injuries on our streets.


「デブラシオ市長、ドゥーサムスィング(何とかしてください)」の会
デブラシオ氏が市長になって以来、千人以上の歩行者、自転車利用者、電動自転車やスクーター利用者が亡くなりました。「ヴィジョン・ゼロ」プログラムの目標からは程遠いものです。我々の道路から死亡者や重傷者を出さないために「デブラシオ市長を動かす会」を通して共に声を上げて行きましょう。


(MisTyの補注1:"Mayor Bill de Blasio DO SOMETHING"が団体名になっています。
(MisTyの補注2:「ヴィジョン・ゼロ」というのは、世界規模で行なっている様々な事故を防ぐキャンペーンのことです。日本も参加しています。→12日のブログに説明を書きました。)


More people were killed while biking in September than in any other month since Vision Zero began. As our city faces a rise in traffic violence, the administration has defunded the Vision Zero program, the Green Wave plan, the Streets Master Plan, and the Dangerous Vehicle Abatement Program, programs meant to eliminate all traffic deaths. Instead of doing more to reach Vision Zero, Mayor de Blasio is doing less. That is unacceptable.


9月に自転車に載っていて事故で亡くなった人の数は「ヴィジョン・ゼロ」が始まってからの他のどの月よりも多い数です。我々の街の交通暴力が多くなっている中で、当局はすべての交通事故死亡者をなくするための「ヴィジョン・ゼロ」プログラム、「グリーンウエイブ」計画、「ストリートマスタープラン」、「危険車両撲滅プログラム」の活動資金援助を打ち切っています。「ヴィジョン・ゼロ」にもっと力を入れることなく、デブラシオ市長はなすべきことを減らしているのです。受け入れ難いことです。


Mayor de Blasio needs to implement low-cost life-saving solutions now. The City must commit to applying substantial financial resources to pay for its safety initiatives.
It is time for Mayor de Blasio to make good on his commitment to Vision Zero by prioritizing human life over traffic. No more vigils. No more speeches.


デブラシオ市長は低コストの命を守る方法を実行しなければなりません。ニューヨーク市は安全に対する政策について十分な資金を当てるべきです。
デブラシオ市長は、今こそ自動車より人間の命を優先させ、「ヴィジョン・ゼロ」に力を入れる時です。見張るのはもう結構。スピーチはもう結構です。


We need action now.
我々は今、アクションを求めています。


そして、次のような「要請書」を送れるよう、フォームが用意されています。


Send an email to Mayor de Blasio with one click!
ワンクリックでデブラシオ市長にメールを送ろう!


Title  肩書き  
(Mr. 、Mrs.、から始まって、全部で61種類の肩書から選べるようになっています。) 
Full Name   フルネーム
Address     住所
Zip       郵便番号
Phone      電話番号
Email      メールアドレス



次の英文が前もって書かれている市長宛の要請書です。これは一例であり、書き加えたり削除したりすることもできます。


As your constituent, I write to urge you to make good on your commitment to Vision Zero by prioritizing human life over traffic. The Vision Zero program, the Green Wave plan, the Streets Master Plan, and the Dangerous Vehicle Abatement Act would make our streets safer for all people, whether walking, bicycling, taking transit, or driving. However, your commitment to funding these programs has greatly waned. Many projects have been stalled, canceled, or given indefinite timelines. 


有権者として、車より人間の命を優先し、「ヴィジョン・ゼロ」に対してご尽力下さいますよう、強く求めるものであります。歩いたり自転車に乗ったりすることであれ、また、輸送手段を使ったり、車を運転したりすることであれ、「ヴィジョン・ゼロ」プログラムや、「グリーンウエイブ」計画、「ストリートマスタープラン」、「危険車両撲滅法」はすべての人々のための道路での安全を高めるものです。しかし、市長がこうしたプログラムに対して投じておられる基金はかなり少なくなってきております。多くのプロジェクトが行き詰ったり、中止になったり、見通しがつかないものになっております。


Going to work or a neighborhood store should not mean risking life and limb. And, for what: traffic, free parking, SUVs, air pollution? I urge you to DO SOMETHING about traffic violence in our streets.


仕事場に向かったり、近所の店に行ったりすることは、命を危険にさらしたり、足が動かなくなるようなリスクを冒すことであってはなりません。車や無料駐車場、SUV(sport utility vehicleスポーツ用多目的車)、空気汚染は何のためにあるのでしょうか?我々の道路で起こっている交通暴力を何とかしていただくよう強く要請いたします。


Please let me know what actions you intend to take concerning making Vision Zero a reality.


「ヴィジョン・ゼロ」を現実のものとするためにどんな対応をとられるのか、お示しください。


Regards, 
敬具


この画像は、TAのホームページに掲載された、実際の会合の様子です。(コロナ渦以前のものです。)



ここまで来たら、次のように訳したくなりました。


"No more vigils."    「様子を見るのはもう結構」
"No more speeches."  「行動の伴わないスピーチは聞きたくありません」



Englishラボ
MisTy

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