Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

発見と感動を与えてくれるニューヨークを英語学習に役立つコンテンツにして毎日お届けしています。

ニューヨークにもあった電気街! ラジオ・ロウのレジでの会話。

メトロポリタンダイアリーはニューヨークタイムズに載っている、ニューヨーカーによる個人投稿のコラムです。ダイアリーというものの、昨日今日のことでなくてもよく、古いものでは50年以上前のストーリーもあります。かえってそのころの話のほうが興味深いことがあります。


今日はそんな中から、これぞアメリカンユーモアだと思ったものをご紹介します。


METROPOLITAN DIARY
Radio row
ラジオ街





Dear Diary:


Back when the area in Lower Manhattan where the World Trade Center went up was known as Radio Row, I went shopping there for a turntable cartridge.


ロウアー・マンハッタンの世界貿易センタービルが建っていた地域がラジオ・ロウと呼ばれていた頃のことでした。私はそこにターンテーブルのカートリッジを買いに行きました。


I went to a store that was typically my first stop and was quoted a price of $90. I then went to a second store, where I was quoted a price of $75 but told that the cartridges were out of stock.


最初に行ったいつもの店に行くと、90ドルという値段を提示されました。それから2軒目の店に行ったら、そこでは75ドルと言われたが、そのカートリッジの在庫がないと言われました。


Returning to the first store, I asked the salesman if he would match his rival’s price.


1軒目の店に戻り、店員に「ライバル店の値段と同じにしてほしい」と頼みました。


“Why didn’t you buy it there?” he asked.


「なぜ、その店で買わなかったのですか」と聞かれ・・・。


“They were out of stock,” I said.


私は、「在庫がなかったんだ」と答えました。


“OK,” he said, “so then we are out of stock too and the price is $65.”


「じゃあ、うちも在庫がなくて、値段は65ドルです」と店員は言いました。



— Chuck Barraza


"turntable cartridge"というのは、レコード針のカートリッジのことです。
デジタル化した音楽ですが、レコードの針の音が好きだというマニアの方は結構いらっしゃいますね。


カートリッジの取り換えのマニュアルからの画像はこちらです。サイトはこちらです。




「世界貿易センタービルが建っていた地域がラジオ・ロウと呼ばれていた」ということは知りませんでした。


"radio row"とは?  Wikipediaより


Radio Row is a nickname for an urban street or district specializing in the sale of radio and electronic equipment and parts. Radio Rows arose in many cities with the 1920s rise of broadcasting and declined after the middle of the 20th century.


ラジオ・ロウ(通り)とは、ラジオや電子機器、部品などを専門に販売する街の通りや地区の愛称である。1920年代の放送の隆盛とともに多くの都市で生まれ、20世紀半ば以降に衰退した。


ニューヨークにも秋葉原のようなところがあったのですね。


次の画像はWikipediaからです。


New York's Radio Row in 1936, with the Cortlandt Street station in the background, as seen in a photograph by Berenice Abbott
1936年のニューヨークのラジオ通り。後方にコートランドストリート駅が見える。(ベレニス・アボット氏による写真)


A crowd gathers near an electronics shop at Greenwich and Dey streets after John F. Kennedy's assassination in 1963.
1963年ジョン・F・ケネディの暗殺後、グリニッチストリートとデイストリートの角の電機屋近くに群がる人々。


Shops had audio gear mounted in the door ways, music and news was projected outside.
入り口には音響機器が山積みで、音楽やニュースが外まで聞こえていた。


1936年の写真(こちらから。)




Manhattan's Radio Row, New York City in the 1960's
13 blocks of Radio Heaven!  
1960年代のニューヨーク市、マンハッタンのラジオ街。
13ブロックがラジオ天国だった!


Radio Row was a ham's paradise of ham radio equipment and electronic parts stores.
ラジオ街はアマチュア無線家にとって、無線機器と電気部品の天国だった。



Street vendors at Radio Row did well!
ラジオ通りでのカート販売も儲かっていた!



Reconditioned test equipment and radio gear at Arrow Radio!
アロウ・ラジオ店に並べられた調整済の試験装置と周辺機器



Browsing a store front window at Arrow Radio!
アロウ・ラジオ店でショウウィンドウをながめる!



A busy sales counter with 5 attendants at Arrow Radio.
アロウ・ラジオ店のカウンターでせわしく働く5人の店員。



Sidewalk bins of a defunct shop at 393 Canal Street
A surviving Canal Street Manhattan electronics store of today.
カナルストリート393番地の道は、今は存在しない店の商品だけが段ボールに入って積まれている。
現在残っているマンハッタンのカナルストリートにある電機店。


最後の写真の赤いひさしに、Argo Electronicsという名前が見えます。
調べてみましたが、残念ながら現在閉店してしまったようです。


この赤いひさしの店がそうです。(2枚ともグーグルアースからです。)


将来、電気自動車に代わると、エンジンや車の部品がこうやって売られているのかもしれない・・・。
胸が痛くなります。。。



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