Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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ユナイテッド航空が電動飛行機を飛ばすことを考えている。その理由とは?

昨日のニューヨークタイムズの、2023年に期待できることの内容の一つに次のような一文
がありました。


The age of electric-powered aviation got a little bit closer.

電気で動く航空機の時代が少し近づきました。


"a little bit closer"とはいえ、将来的に実際の運用をめざしていることは確かなようです。


しかし、ジェットエンジンでさえ、あんなに重い鉄の塊が空を飛ぶのは恐い、と感じている人がいるのに、もう電動航空機導入?しかも、100機。(2022年10月、ロイター発---こちら


座席数が19というのは、日本では「セスナ機」のこと?


Wikipediaで調べました。


セスナ機(セスナき)は、セスナ社製の飛行機(ビジネスジェット、汎用機、小型機)のこと。


日本においては1956年から販売しているセスナ 172が世界的なベストセラーであり、日本でも大きなシェアを占めているためか「小型軽飛行機」の代名詞のように用いられることがままある(商標の普通名称化参照)。「ビーチクラフト製セスナ機」と言った言い回しもされる場合もある。

だが実際、軽飛行機の分野にはセスナ以外にも上記のビーチクラフト社など多数のメーカーが参入している。セスナ社は軽飛行機以外にもセスナ サイテーションといった小型ジェット機も製造している。


Wikipediaにある下の2枚の画像はどちらも、「セスナ社製のセスナ機」です。


Cessna C206 Windhoek-Eros (2018)


セスナ680 サイテーション・ソヴリン


「ピーチ航空」というのは、もしかして「ビーチクラフト社のセスナ機」を使っているから?と思いましたが、違いました。(^_^)


さて、


ユナイテッド航空が電動航空機導入を決めた経緯とその理由や目的が分かりました。


CBSNewsの記事です。(一部省略があります。)


How United Airlines expects electric planes to change the way passengers make travel decisions
旅行者の旅行手段の選び方を電気飛行機が変えることをユナイテッド航空が期待する理由




One of the hardest things to figure out about cutting greenhouse gas emissions has been what to do about aviation, since most commercial jets are too heavy to fly under electric power with today’s technology. But United Airlines is beginning to provide a picture of how electric planes will be part of its future and a key to remaking the way travelers think about aviation as a choice for shorter distance routes.


温室効果ガスの排出削減を考える上で最も難しいことのひとつは、飛行をどうするかということだった。なぜなら、ほとんどの民間のジェット機は、現在の技術では電動で飛行するには重すぎるからだ。しかし、ユナイテッド航空は、電気飛行機が同社の将来の一部となり、旅行者の短距離移動の選択肢を増やす鍵となるイメージを提供し始めている。


The nation’s No. 3 carrier has a contract to buy electric 30-seat planes from startup Heart Aerospace, which Heart said it plans to introduce in 2028. United’s plan is not to replace big jets, but to focus the new planes on regional service. The airline is also preparing to introduce eVTOL (electric vertical takeoff and landing) craft to do local transport like taking passengers from central cities to airports.


全米第3位の航空会社は、新興企業のハート・エアロスペースから30人乗りの電気飛行機を購入する契約を結んでおり、ハート社は2028年に納入する予定だという。ユナイテッド航空の計画は、大型ジェット機を置き換えるのではなく、新しい飛行機を短距離の地域間サービスに集中させるというものだ。また、都心から空港まで乗客を運ぶようなローカルな輸送を行うeVTOL(電動垂直離着陸機)の導入も準備している。


The idea is less to shift how fliers behave than to convince small-city residents who now drive on trips of 250 miles or less to take a plane instead, Mike Leskinen, United’s vice president of corporate development and president of its United Ventures investing arm, said at the CNBC ESG Impact earlier this month. If it works, it opens up a new market for carriers like United, especially outside major metropolitan areas.


ユナイテッド航空の企業開発担当副社長兼投資部門ユナイテッド・ベンチャーズ社長のマイク・レスキネン氏は、今月初めに放送された「CNBC ESG(環境・社会・ガバナンス)インパクト」で、このアイデアは航空会社の行動様式を変えることよりも、現在250マイル以内の移動は車で行っている小都市の住民に、飛行機が使えるということを納得してもらうことにあると述べた。これがうまくいけば、ユナイテッドのような航空会社にとって、特に大都市圏以外の新しい市場を開拓することができるという。


“There’s absolutely a lot of hurdles to clear but aerospace development cycles are measured in decades and you have to get started now,” Leskinen said. “We cannot continue doing and operating our business the way we do. It is imperative that we change it and the way we’re going to change it is through investing in technology.”


マイク・レスキネン氏は次のように述べた。「もちろん多くの越えなければならない障害はあるが、航空技術の開発サイクルは数十年単位で評価されるものであり、今すぐに始めなければならないのです」、「このままでは続かない、従来のやり方ではビジネスがだめになる。今すぐ変えていかなければ。そして変えていく方法は、技術への投資を通じてなのです。


As electric cars and SUVs move toward 5% of the new-car market in the U.S. and 9% globally, few airlines have made any major push toward electric planes. Sustainability plans being pursued by American Airlines, Delta Air Lines and Southwest Airlines barely mention electric planes. Engineers can’t make an electric battery light and powerful enough to serve a plane the size of today’s jets, said Eliot Lees, vice president and aviation analyst at consulting firm ICF in Cambridge, Massachusetts.


電気自動車やSUVが米国の新車市場の5%、世界の9%を占めようとする中で、電気飛行機に向けて大きな動きを見せている航空会社はほとんどない。アメリカン航空、デルタ航空、サウスウェスト航空が進めているサステナビリティ計画では、電気飛行機についてほとんど触れていない。マサチューセッツ州ケンブリッジにあるコンサルティング会社ICFの副社長で航空アナリストのエリオット・リース氏は、エンジニアが今日のジェット機のサイズに対応できるほど軽量で強力な電気バッテリーを作ることはできないと語った。


The United plan is based on the idea that less than 1% of travelers making a 250-mile trip choose to fly.


ユナイテッド航空の考え方は、250マイル(約400キロ)の旅をする旅行者のうち、飛行機を選んでいる人は1%未満しかいない、ということに基づいたものだ。


“It used to be different,” said Anders Forslund, CEO of Gothenburg, Sweden-based Heart Aerospace. “Go back to the 1990s, there were hundreds of small aircraft serving a lot of communities that have now lost service.”


「かつては違っていた。」と、スウェーデンのヨーテボリに本社を置くハート・エアロスペース社のCEO、アンダース・フォスルンド氏は言う。「1990年代までさかのぼれば、今ではサービスを失ってしまった多くの地域に、何百もの小型飛行機が就航していたのです。」


United and Air Canada have also bought stakes in Heart Aerospace.


ユナイテッドとエア・カナダもハート・エアロスペースの株を買っている。



今回はここで一旦終わりにします。
続きは、「飛行機の電動モーター」についてです。


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