Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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ニューヨークタイムズのインスタント・ラーメン特集。

インスタント・ラーメンは、日本の国民食と言っても過言ではないと思います。熱湯をかけて3分待つだけで美味しく食べられるものから、本格的なスープや麺まであり、今も研究され続け、進化しているように思います。値上がりはしたものの、「サッポロ一番」や「チャルメラ」は世代を超えて今でも売れ続けています。


ニューヨークでインスタント・ラーメンを買うと、ほとんど失敗します。日本で売っているものとかなりの差があるからです。これらを「美味しい」と勘違いしているニューヨーカーがいるとすれば、日本から持って行って食べさせてあげたいと思うくらいです。


アメリカに行かれるときは、お土産に扇子や手拭いではなく、インスタントラーメンがいいと思います。


今日は、解説を挟みながら、本文の一部抜粋をお送りします。


ニューヨークタイムズの"Wirecutter"(ワイヤーカッター)のコラムから、画像と抜粋した英文の原文はこちらです。



The Best Instant Noodles, According to Chefs, Cookbook Authors, and Ramen Fanatics
シェフ、料理研究家、ラーメンマニアが選ぶ最高のインスタント・ラーメン


by Anna Perling



Instant noodles are steeped in more than just hot water and seasoning. They’re also steeped in historical and cultural significance. Momofuku Ando created instant noodles in 1958 as a postwar invention to help curb world hunger, and since then, they’ve bloomed into a huge industry, inspiring museums, poems, and prison bartering systems.


インスタントラーメンの奥深さは熱湯と粉末スープだけではありません。歴史的、文化的意義にも奥深いものがあります。1958年、安藤百福は戦後世界の飢餓を減らすためにインスタント・ラーメンを発明しました。それ以来、巨大な産業へと発展し、博物館や詩が創られ、刑務所内での物々交換に使われるまでになりました。



"seasoning"の本来の意味は「調味料」、「香辛料」でしょうが、「粉末スープ」のことを言っているのだと思います。しかし、この「粉末スープ」を単に"seasoning"と表現していることに逆に納得するほど、米国で売られているインスタント・ラーメンのスープはおいしくないです。問題は英語にもなった”Umami”(うま味)成分です。



"Momofuku Ando created instant noodles in 1958 as a postwar invention to help curb world hunger."


本文中のこの文には、"curb world hunger"(世界の飢餓を抑える)とありますが、実際は戦後の日本の食糧難の経験が原点となっていたようです。後に安藤百福が起業した日清食品の理念は「食足世平(食足りて世は平らか)」だったようですが。(Wikipedia参照)



"....inspiring museums, poems, and prison bartering systems."
(博物館や詩が創られ、刑務所の物々交換で使われるまでできるようになりました)


のところで、ラーメンが食べたい囚人がタバコなどとインスタントラーメンを交換したということは想像できます。インスタントラーメンと"museum"は横浜と大阪にある、"CUPNOODLES MUSEUM---安藤百福発明記念館"だろうと思います。ニューヨークにはインスタントラーメン博物館はないでしょう。”Ramen Museum”というラーメン屋さんならありますが、ラーメンを作るためのキットを配達する店です。(こちら




ラーメンポエムに関しては、確かにこのサイトにあります。インスタントラーメンを題材にしたこのサイトからのポエムは次のようなものでした。


beef flavored ramen  
barren
i pour life into your carcass  

("I"が小文字になっていますが、詩として頭をそろえたのだと思います。)
three minute companion
join me for an afternoon busied by the flusters of the world


牛肉風味のラーメンだ
死んでるみたい
僕は君の死骸に命を注ぐ
3分間そばにいるよ
世の中の慌ただしさに忙殺される午後を一緒に過ごしてくれ


endless noodle sucked through an indifferent orifice
brown abyss
what lies beneath the surface?
floating buoys aptly distract my visual analysis
yellow, orange, green


切れ目のない麺は無感情な食道に吸い込まれていく
褐色の深淵に
お湯の下には何がある?
浮遊するブイが巧みに僕の視覚解釈を攪乱する 
  ⇒ 鳴門巻きのことか?
黄色、オレンジ、緑


styrofoam smirk!
allow me to revel in your sweat
for my lack of toil


発泡スチロールは皮肉な笑いを浮かべる!
僕が面倒なことをしなくてもいいように

君が汗を流してくれているんだね



笑っちゃうけど、インスタント・ラーメンでポエムになること自体がすごい!


引き続き、ニューヨークタイムズの記事の引用です。


They’re simultaneously embraced as cheap sustenance, proffered as a way to help future food shortages, and used as a backdrop for culinary experimentation—all of which makes them perfect for our current moment. That, plus the simple fact that a great bowl of instant noodles is comforting and delightful to slurp: warm, carby, salty, and delicious.


安価な糧としてみんなに重宝がられ、将来の食糧不足を救うものとして提案され、食卓の一品として実験的に使われ、インスタントラーメンは今の時代に完璧にマッチしているのです。それに加えて、大きなどんぶりのインスタント・ラーメンは、ほっとするたべもので、すすって食べるのが楽しい。つまり、温かくて、炭水化物が多く、塩味がして、美味しいのです。



"slurp"は飲食の時に音を立てる、という意味です。麺なので、「すする」にしましたが、、「ズルズル」といった表現になるかもしれません。


明日は、ラーメン専門家と言える人たちによって推薦されたインスタント・ラーメンを詳しくお伝えします。世界各国のインスタント・ラーメンを11種類試したそうなのですが、日本のインスタント・ラーメンはいくつ入っているでしょうか?



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