寒い日はメトロポリタンダイアリーを読んで温まろう。
もう2021年も残り少なくなってきましたね。
今年も新型コロナウィルスのニュースで始まって、新型コロナウィルスのニュースで終わりますね。。。あちこちに不安が渦巻く世の中、ニューヨークタイムズのメトロポリタンダイアリーに温かい話を見つけました。
Cool Breeze
風は冷たいけれど・・・
Dear Diary:
One early fall morning some years ago, I decided to walk to the Metropolitan Museum of Art and spend a few hours there before meeting a friend for lunch.
何年か前のある秋の早朝、私はメトロポリタン美術館まで歩いて行って、そこで数時間過ごし、それから友人とランチをすることにしました。
It was one of those days when the weather could not make up its mind between bright and sunny or cool and cloudy. I grabbed a sweater from the closet, wrapped it around my waist and set off.
明るく晴れた日にしようかな、それとも涼しく曇った日にしようかなと天気が迷っているような日が続いていたので、私はクローゼットからセーターを引っ張り出して、腰にぐるっと巻き付けて家を出ました。
After wandering through the museum’s galleries for a while, I headed south on Fifth Avenue to meet my friend. The sun had just disappeared behind a large bank of gray clouds, and I was glad I’d brought a sweater.
美術館のギャラリーをしばらくぶらぶらして、私は友人と待ち合わせるために五番街を南に向かって歩きました。ちょうど太陽が大きな灰色の雲の影に隠れてしまっていて、セーターを持ってきて良かったと思いました。
Standing at a corner waiting for the light to change, a man at a hot-dog stand waved and called out to me.
角で信号が変わるのを待っていると、ホットドッグスタンドの男性が手を振って私に何か叫びました。
“Lady, are you walking as far as 72nd Street?” he asked me.
「お姉さん、72丁目まで行く?」と聞いたのです。
I nodded.
私はうなづきました。
He reached under his cart and pulled out a light blue windbreaker.
彼はカートの下に手を伸ばして、水色のウィンドブレーカーを引っ張り出しました。
“Could you please take this to my wife?” he said. “She has a hot dog cart just like this one.”
「これを妻に渡してやってくれないか?」と彼は言いました。「これと同じようなホットドッグ・カートでホットドッグを売ってるんだ。」と。
“Of course,” I replied, grabbing the jacket just as the light turned green. The man grinned and waved.
「いいわよ。」と私は答えました。丁度信号が青になって、私はそのジャケットを受け取りました。男は嬉しそうに笑って手を振りました。
About 10 minutes later, I spotted a shiny steel hot-dog cart. A woman stood beside it, her shirt collar turned up against the cool breeze.
10分ほど歩いて、私はピカピカのスチール製ホットドッグカートを見つけました。その傍らには、シャツの襟を立てて冷たい風に吹かれている女性が立っていました。
“Your husband sent you this,” I said, handing her the jacket.
「ご主人からのプレゼントよ」と言って、私は彼女にジャケットを渡しました。
“Oh, thank you so much,” she replied with a smile, quickly putting the jacket on.
「ありがとうございます」と彼女は笑顔で答えました。そしてすぐにジャケットを着ました。
"He is a good man."
「彼、いい方ね。」
— Faith Andrews Bedford
ご主人が立っていたのは、このあたり。(右がセントラルパーク)
奥さんが立っていたのはこのあたり。(左がセントラルパーク)
タイトルの"cool breeze"は、普通、心地の良い「涼しい風」をイメージしますが、タイトルと、文中の、"......her shirt collar turned up against the cool breeze"の部分に使ってある"cool breeze"は、なぜ"cold wind"にしなかったのかしら?"cool"を「素敵な」という意味をイメージさせた?"breeze"は、彼の優しさをイメージさせるため?それなら、「素敵なそよ風がふいた」というタイトルにすべきだったかしら?でも、彼女は寒かったからシャツの襟を立てていたのでしょう?それとも、何かの比喩として使った表現?なんてことをしばらく考えてました。( ´艸`)みなさんなら"cool breeze"をどんな風とイメージしますか?
ご意見があればコメント欄で聞かせてね。
Englishラボ
MisTy