Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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優秀作品発表!10代の若者が書いた100ワードの英文!

ニューヨーク・タイムズは、10代の若者に学習の機会として、さまざまなコンテストを行っています。この機会が利用されるのは、学校の先生たちが授業の一環として使う場合がほとんどです。それは、絵画のコンテストにしても作文のコンテストでも、受賞者のコメントと共に指導された先生のコメントも掲載されていることでわかります。


こちらで、受賞したアート作品の生徒と先生のコメントが読めます。

保育園児が描いた飛行機と1年生のトラのコラージュの想像力がすごい! - Talking New York --- New Yorkで見つけた英語


ニューヨーク・タイムズの"100-Word Narrative Contest"の、"narrative"という言葉は、日本語に直しにくい言葉です。


"narrative"(ナレーティブ)は、ピッタリの日本語がないのですが、「話の中の出来事についての描写」のことです。形容詞でも使われます。


今日ご紹介するのは、今月17日にニューヨーク・タイムズのサイトで発表された、100ワードの"narrative"の入賞作品の一部ですが、この場合、"narrative"は日本語表現では「想い出」や「出来事」が最も近い表現かもしれません。しかし、単なる「メモリー」ではなく、それをどのように「描写」しているかが評価のポイントになっている文章です。


全体を通して、出来事を読む人の目の前で起こっているかのように生き生きと描くため、描出話法という過去のことでも現在形を使って表す手法が用いられています。


原文、画像ともこちらからです。



The Winning 100-Word Narratives
優勝した100ワードの想い出


Nap Time With a Kindergartner Who Doesn’t Know English

英語がわからない幼稚園児とのお昼寝タイム


Cocooned in my Minnie Mouse blanket, I squint through dimness, scrutinizing Ms. Johnson’s nose wart.


その金髪の女の子は私のミニーマウスの毛布にくるまっていた。その横で私は薄暗がりの中で目を細め、ジョンソン先生の鼻についているイボを注意深く観察していた。


Surprise strikes when Blonde Girl turns over. Smiles at me. Whispering English gibberish. She giddily uncaps a pink ChapStick, twisting it under my nose.


その子が寝返りを打ったとき、驚きが走った。私に微笑みかけたのだ。ちんぷんかんぷんな英語でコソコソ何か言っている。そして騒ぎながらピンクのチャップスティック(リップクリーム)のふたをとって、私の鼻の下に押し付けた。


“Birthday cake!” I think —


「バースデーケーキ味だ!」 と思った。


She chomps off half the ChapStick. Chewing, Blonde Girl offers me to do the same. I panic, realizing: 1. The tube’s dripping saliva. 2. I’m also friendless. Best solution? I’ll swipe on her ChapStick. Just a wee bit.


その女の子はチャップスティックを半分かじった。かみながら、私も同じようにしろと言う。私はあわてた。理由は2つ。ひとつは、持つところがつばでべとべとになっていること。もうひとつは、私にも周りに助けてくれる友達がいないということだ。一番いい解決策は何だろう?と考えて、私はそのチャップスティックをさっとひとぬりすることにした。ちょっとだけ。


I accept, eyeing the wax’s glisten before staring into Blonde Girl’s blue raspberry irises.


私はリップクリームのワックスが光るのを見てから、金髪の女の子の青いラズベリー色の瞳を見つめ、彼女の言うとおりにした。


My teeth sink into ooey-gooey friendship.


私の歯は、べとべとした友情の中に沈むんだ。


— Grace Huang, 16, West High School, Madison, Wis.


- ウィスコンシン州マディソン、ウェスト高校、グレース・ファン、16歳。


チャップスティックはこれです。





First Snow of the Year

今年の初雪


It’s January in Brooklyn and I’m walking down the street with earbuds in, fidgeting with a clump of snow between my gloves. A man directs some comment at me and I tense instinctively. “Sorry?” I respond, thinking of everything old men say to teenage girls on sidewalks.


ブルックリンの1月、私はイヤホンをして通りを歩き、両手の手袋の間で雪の塊をいじくりまわしていた。ひとりの男が私に何か言っているので、とっさに身構えた。「何か?」と言いながら、老人が歩道で10代の女の子に言いそうなことを考えていた。


He points to my hands and I look down, surprised: a perfect snowball. “So round!” he murmurs. “Good job!” I smile, equal parts relieved and joyful, and keep walking. In a few hours this will all be grimy slush, but for now it’s flurrying softly — the city feels quiet, beautiful, kind.


彼は私の手を指さした。私は下を見て驚いた。完璧な雪玉だった。「見事な球だ!」と彼はつぶやいた。「よくやったな!」私は微笑んだ。ホッとした気持ちと嬉しい気持ちが半分半分で歩き続けた。数時間後には、この雪は泥だらけのぬかるみと化すのだろう。しかし、今は静かに降っている。街は静けさと、美しさとやさしさを感じていた。


— Cora Anderson, 16, Millennium Brooklyn High School, Brooklyn, N.Y.

コーラ・アンダーソン、16歳、ミレニアム・ブルックリン高校、ブルックリン、ニューヨーク州



Hallway Crush

廊下のときめき


I hear footsteps down the hallway. I don’t look up, but I know exactly who is coming. “Act natural,” I think to myself. I lean against the brick wall and pretend to be really busy looking at my weather app. 77 today, 79 tomorrow … I glance up to see the person that I’ve wanted to talk to the whole day. My heart flutters. 


廊下を歩く足音が聞こえる。私は顔を上げなかったが、誰が来るのかははっきりと分かっていた。「自然体でいくのよ。」と自分に言い聞かせる。レンガの壁に寄りかかり、天気予報アプリを見るのに忙しいふりをする。今日は77度、明日は79度......目を上げると、一日中話したいと思っていた人がいる。胸がときめく。


I try to think of something good to say. He was trying to do the same. Yet the best thing we could think of was “Bye.” Ugh. I’ll try again tomorrow.


何かいい言葉を考えようとする。彼もそうしようとしていた。でも思いつくのは "さよなら "だけだった。あーあ。明日、もう一度やってみよう。


— Elodie Ruff, 15, Kansas City Christian School, Prairie Village, Kan.


エロディ・ラフ(15歳/カンザスシティ・クリスチャン・スクール、プレーリー・ビレッジ、カンザス州




もう一度10代のあの頃に戻りたくなりませんでしたか?
明日も、いくつかご紹介します。


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MisTy

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