Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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ウクライナの話と歯列矯正器具のからまった話

昨日の続きで、ニューヨークタイムズによる、10代の若者による「100ワーズの話」の入賞作品です。
このコンテストは、ニューヨークタイムズを読んでいる人で、条件に合う人なら国籍を問わず応募できます。今日ご紹介する入選作品の2作品のうちのひとつは中国、北京の高校生のものでした。


原文はこちらからです。



Left Behind


7 a.m., Feb. 24, 2022, Lviv, Ukraine. I awoke to my parents whispering. A panicked look covered my mom’s face.


“What happened?” I sensed tension — no answer.


Zelenski’s announcement, “We are introducing martial law on all the territories of our state” boomed loudly. My hands spontaneously shook. A lump formed in my throat. I couldn’t speak. Piercing sirens sounded. My parents packed some essentials. We drove to my grandmother’s house at the border, allowing us to escape. Unbidden tears flowed down my cheeks. We looked so happy in the photos on the walls of our home we left behind.


— Vira Hadzhiieva, 15, Wahlert Catholic High School, Dubuque, Iowa


取り残される


2022年2月24日午前7時、ウクライナ、リヴィウ。両親のささやき声で目が覚めた。母の顔は慌てた表情で覆われていた。


「何があったんだ?」緊張を感じた。答えはなかった。


ゼレンスキーの「我が国の全領土に戒厳令を敷く」というアナウンスが大音量で流れた。私の手は自然に震えた。喉がつっかえように感じた。声が出なかった。突き刺すようなサイレンが鳴り響いた。両親は必需品を荷物にした。私たちは車で国境の祖母の家に向かった。そこからなら逃げられるだろうと。思わず涙が頬を伝った。残された家の壁に貼られた写真の中の私たちは、とても幸せそうだった。


- ヴィラ・ハジエヴァ、15歳、ウォーラート・カトリック高校、アイオワ州ダビューク



Entangled Braces


In a quiet school corner, I had my very first kiss. Nervous and excited, my heart raced. Unexpectedly, our braces became entangled. What a silly mishap. Awkward laughter erupted initially. We attempted to twist in opposite directions for a quick fix. But as time passed, the ache in my teeth intensified, and saliva started to leak uncontrollably. Our efforts were futile, and panic crept over us like a dark shadow. Hastily, we made our way to the infirmary, our movements resembling startled crabs. The school nurse gently untangled us, her shoulders shaking, trying to suppress her laughter.


— Ruiqing Zhao, 17, The High School Affiliated to Renmin University of China, Beijing


からまった歯列矯正器具


静かな学校の片隅で、私は初めてのキスをした。緊張と興奮で胸が高鳴った。思いがけず、私たちの歯列矯正具が絡まってしまった。なんて愚かな災難だろう。最初は気まずい笑いが出た。私たちは早く直そうと、反対方向にねじろうとした。しかし時間が経つにつれ、歯の痛みは激しくなり、唾液が出て止まらなくなった。私たちの努力はむなしく、パニックが暗い影のように近づいてきた。私たちは驚いたカニのような動きをしながら、急いで保健室に向かった。養護教諭は、笑いをこらえようと肩を震わせながら、私たちをそっと解きほぐした。


- 趙瑞青、17歳、中国人民大学附属高校、北京


もし、彼らが将来結婚したら、この話は末代まで語り継がれるでしょうね。( ´艸`)



(中国人民大学附属高校    画像はこちらから)



100ワーズの話を書くことで、辞書も引くでしょうし、文法もチェックするでしょう。また、"narrative"という、出来事が今起こっているかのように描写する文を書く手法として、現在形を使うということも学ぶでしょう。


先生たちは、是非課題として取り入れてみてください。その前にお手本として是非、彼らの作品を読ませてください。この課題を効果的に授業に取り入れることで、生徒のリーディング力やライティング力が伸びると信じています。


Englishラボ
MisTy

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