Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

発見と感動を与えてくれるニューヨークを英語学習に役立つコンテンツにして毎日お届けしています。

これを読むと一日が爽やかに始められる。メトロポリタンダイアリー。

ニューヨークはおしゃれな街です。でも、そのおしゃれというのは、高級な靴やバッグを身に付けれているからではありません。日常のほんのひとコマ、何でもないようだけれどなかなか出会えない一瞬に遭遇するのです。そして気持ちがあたたかくなるのです。


それが、おしゃれの本質のように感じる今日のダイアリーでした。(日付は随分昔のことのようになっていますが、ニューヨークタイムズのこのダイアリーでは今の日付のことだけが書いてあるわけではありません。)


https://www.nytimes.com/2020/07/12/nyregion/metropolitan-diary.html




Dear Diary:


It was spring 1974, and I was riding my bike home from Central Park early one morning. I stopped for a red light at 57th Street and Sixth Avenue.


As I waited for the light to change, a delivery truck from H&H Bagels pulled up alongside me.


I looked up at the driver and said hello. He said hello. Then he reached into a bag by his side and handed me a fresh bialy.


— Ari Rabinowitz


1974年の春のことでした。私は朝早く、セントラルパークから自転車で家へ帰るところでした。57丁目と6番街が交差する角で、信号が赤になったので止まりました。


信号が変わるのを待ってると、H&Hベーグルの配送車が私の横で止まりました。


私はドライバーを見上げて、「ハロー」と言いました。すると、彼も「ハロー」と言いました。そして彼は彼の脇にあった紙袋に手を伸ばして、私に焼き立てのビアリー(中央のくぼみに具を乗せたお惣菜パン)をくれました。




もうひとつ、どうぞ。




Dear Diary:


It was a Saturday morning in February 2002. A few months earlier I had sold everything I owned and bought a one-way ticket to New York City.
I was determined to start a career in book publishing. I had a sub-sub-sublet in the West Village and I spent the weekends walking the city.


2002年2月、土曜日の朝のことでした。私は数か月前に、自分の持っていたすべてのものを売ってニューヨークシティ行きの片道チケットを買いました。
新たに出版社で仕事をする決心をしたのです。ウェストヴィレッジで、また貸しのまた貸しのまた貸しのアパートに住んで、週末は街を散歩しました。


One day, I was walking down Prince Street when I saw a display of breads in a light-green storefront. The faded gold letters on one of the windows spelled “Vesuvio Bakery.”
I opened the door and inhaled the scent of warm bread. An older man in a white apron stood behind a low counter. I looked at the breads, carefully choosing something that was in my modest food budget. I smiled and pointed to a small sandwich roll.


ある日、私はプリンスストリートを歩いていた時、店頭がライトグリーンのパン屋さんの陳列棚を見ていました。ショーウィンドウには「ヴェスヴィオベーカリー」と書いてありましたが金色の文字が一部消えかかっていました。
私はドアを開けて、温かいパンの匂いを吸い込みました。白いエプロンをした年とった男の人が低いカウンターの向こう側に立っていました。私はパンを見て、注意深くわずかな食費で賄えるものを選びました。そして小さいサンドイッチロールを指さして笑いました。


The man in the apron asked if I was sure. He pointed to a larger, round loaf topped with sesame seeds that looked like a crown. It was the one I secretly wanted.
I said I was sorry, but I didn’t have enough money.
“No, young lady, never say that,” the man said, pointing to his heart. “You are rich in here.”
With that, he took the $1.50 I put on the counter and handed me the round loaf.


— Laura Holmes Haddad



エプロンをつけたその男性は本当にこれでいいのかと尋ねました。彼は(こっちじゃないのか、と言うように)パンの上に王冠のようにゴマが載っている大きくて丸いパンを指さしました。それは私が密かに欲しいなと思っていたものでした。
私は残念だけどお金が足りないわと言いました。
「いや、娘さん、そう言わないで。」とその人は胸に手を当て、「あなたは、ここが豊かですよ。」と言いました。そして、彼は私がカウンターに置いた1ドル50セントを受け取って、私にその丸い大きなパンを手渡してくれました。



画像、真ん中にあるのが、"Vesuvio Bakery"です。
絶対行ってみよう、と思います。





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MisTy

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