Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

発見と感動を与えてくれるニューヨークを英語学習に役立つコンテンツにして毎日お届けしています。

この話のオチを説明してください。メトロポリタンダイアリーを教材として使う。

メトロポリタンダイアリーは、ニューヨークタイムズが週一度、読者のオンライン投稿から集めた秀逸な話を5話集めたものです。内容は、自分の体験談で中には昔のできごともあります。地元人間ならではの「あるある」話や、「まさか、こんなことが・・・」と思える珍しい体験、心温まるエピソードなど様々です。1976年から続いています。


イラストは、Agnes Lee(アグネス・リー)さんによるもので、ささっと書いたようなイラストですが、内容をよく反映していて、しかも温かさがあり、ダイアリーの内容を引き立てる最高のイラストだと思います。


本にもなっています。

Metropolitan Diary: The Best Selections from the New York Times Column
Metropolitan Diary: The Best Selections from the New York Times Column
William Morrow & Co



リーディングの教材としては、日本の教材よりずっと面白く、一日一話、生徒に読ませて内容の説明を簡単に書かせるだけで、その学年が終わるころには実にリーディング力がついていると思います。生徒も1年間分のプリントをためるとかなりの自信になるでしょう。


ただ、先生たちは大変です。生徒の年齢や現在の実力などを考慮して、ベストなものを選ばなくてはいけませんから。。。でも、それこそ先生にしていただきたいことです。


さて、今日はサンプルになるようなダイアリーをひとつ。


課題は、「この話のオチはなんでしょう?あなたはどこで笑えましたか?」(笑えなかったら、なぜ笑えなかったのかを説明してください。)


です。タイトルは、


Position Desired


です。








Dear Diary:


In the late 1960s, I worked at an employment agency in Lower Manhattan. My department was responsible for placing male high school graduates in entry level jobs.


One day, I was interviewing a candidate who had filled out the necessary employment application. I read his application as we talked: name, address, year of graduation and so on.


I looked at what he had written next to the box that read, “position desired.”


“Near a window,” it said.


— Sona Doran



1960年代後半のこと。私はロウワー・マンハッタンの就職斡旋会社で働いていました。私の部署は、高卒の男性に初心者レベルの仕事を探してあげることでした。
ある日、私は就職申込書の必要記載事項を記入してきた一人の志望者と話をしていました。
私は話しながら、申込書を読みました。名前、住所、卒業年度などです。
"position desired"と書かれたボックスの隣に書いてあったことを見たら・・・
「窓のそば」(窓際)と書いてありました。
--- ソーナ・ドーラン


"position"というのは、"job"の正式な言い方です。
"position desired"は、日本語でいうと「希望職種」で、どんな仕事をしたいのかを書くわけです。それが「仕事をしたい場所」と勘違いされ、「窓のそばがいい」と書かれていたわけです。わざと「窓際」と訳すと、日本語の「閑職に追いやられた社員」という意味にもなり、違った意味で笑えるかもしれません。


少しレベルを上げた課題としては、笑える理由を英語で書かせたり、ペアワークをして話の内容を英語で確認させたり、感想を英語で書かせたりしてもいいと思います。授業の進め方は先生次第です。
英語で書かせた課題を、添削するのは大変ですが、先生にとっても生徒がどういう間違いをするのかがよくわかって勉強になるはずです。



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MisTy

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