Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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選挙管理委員会の謝罪文に見た英語での謝罪文の書き方。


6月30日(ニューヨーク時間)に、選挙結果集計のミスが報じられましたが、その翌日次のような選挙管理委員会からの謝罪がツイッターに掲載されました。




読みます。


Statement from Commissioners of the Boad of Elections in the City of New York


ニューヨーク市の選挙管理委員会の理事からの声明




Yesterday’s ranked choice voting reporting error was unacceptable and we apologize to the voters and the campaigns for the confusion.


昨日の優先順位選択投票報告で起こったミスは受け入れられるものではなく、有権者の皆様と選挙運動関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことを謝罪いたします。


Let us be clear RCV was not the problem, rather a human error that could have been avoided. We have implemented another layer of review and quality control before publishing information going forward.


RCV(ranked-choice voting) 自体が問題なのではなく、むしろ避けられたであろう人的なミスが原因でした。我々はこれから情報を公開する前にさらにもう一度見直しを行い、質の確保を図ることといたしました。  


We can say with certainty that the election night vote counts were and are accurate and the RCV data put out today is correct as well.


選挙当日の夜においても、現在においても票集計は正確であります。そして本日出される RCVのデータも正しいものです。


As we continue to count absentee ballots and run further RCV tabulations, we will do so with a heightened sense that we must regain the trust of New Yorkers. We will continue to hold ourselves accountable and apologize to New York City voters for any confusion.


不在者票の集計と、RCV集計をさらに進めながら、我々はニューヨーク市民の皆様の信頼を取り戻さなければならないという強い緊張感をもって行います。私たちは責任をもって作業に当たり、あらゆる混乱に対してニューヨーク市の有権者の皆様にお詫び申し上げます。



日本語での謝罪でよく聞く、「皆様にご迷惑をおかけして申し訳ございません。」のところは、


"we apologize to the voters and the campaigns for the confusion"


を見ると、次のことがわかります。


● 現在形を使うこと。「謝罪する」に"will"を使うと今はしていないけどこれからするということになる。


● 誰に対して謝罪するのかという"to ~”をつけて、相手を限定する。


● 「ご迷惑」は、"trouble"ではなく、"confusion"を使う。



"we must regain the trust of New Yorkers" のところからは次のことが分かります。


"must"を使って、「しなければならない」度合いを強くする。


"trust"は英語では、かなり強いニュアンスを含みます。かつて、二酸化炭素濃度を下げることで、"Trust me."と言った日本の首相が、反対に本当にできるかどうかわからないことに"Trust me."と言うとは軽いヤツだ、という印象をもたれましたね。。。


日本語では、「取り戻す」ですが、"regain"は、特に「失った能力や質」に対して使います。普通の「取り戻す」は、"get back"ですが、それなら一般的すぎるので、"regain"を使ったのですね。


「ミス」には、"error"を使っています。


"error"について、ロングマン辞書の定義が"mistake"になっています。ただし次のような説明があります。


Error is rather formal and is mainly used when talking about computers or in some fixed expressions such as human error. In everyday English, people usually use mistake:

There must be a mistake somewhere.


"error"は、フォーマルな言い方で、主にコンピュータで起こったことを指すときや"human error"(人的ミス)のように、一つの決まった表現で使われる。日常的には、"mistake"を使う。
例:There must be a mistake somewhere. どこかにミスがあるに違いない。


"error"は、「正しいものがあって、それからずれている」
"mistake"は、「思い違い」、「判断間違い」


と認識していたのですが、ロングマンでは、"error"は、"mistake"のフォーマルな言い方となっており、少々意外でした。


"mistake"の定義は、


something that has been done in the wrong way, or an opinion or statement that is incorrect
間違ったやりかたでなされたもの、あるいは正しくない意見や発言


または、


something incorrect that you accidentally do, say, or write
うっかりやったり、言ったり、書いたりする正しくないこと



とあり、それを日本語で、「誤まり」と「間違い」という表現を当てているようです。


実際は、"human error"という決まった言い方は、日本語でも「人的ミス」と言いますね。「人的エラー」とは言いません。


「うっかり間違い」とは言いますが、「うっかりエラー」とは言いません。


英語では、"mistake"の中に"error"が含まれているといった感じだと思っておけばいいと思います。(日本語では言い方を分けた方がいいでしょうが・・・。)



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