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デブラシオ現市長は警察予算のカットを約束。アダムス次期市長候補はカットしない。どうなる?ニューヨーク?

Eric Adams(エリック・アダムス)氏が、ニューヨーク市長選挙の予備選挙に勝利し、11月の共和党候補との本選を経て、次期市長に当選する公算が強くなってきました。
今日のブログでは、アダムス氏が警察の予算カットのことについて、意見を述べていますが、その前に、"defund"の意味について、分かったことを少し書いておきます。


2020年5月25日にミネソタ州ミネアポリスで、黒人のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが白人警官によって、偽札を使った疑いで逮捕され、その際、首を圧迫されて死亡しました。そのことをきっかけに全米でアメリカ警察組織への抗議デモが広がり、大きな人種差別問題となりました。多くの団体が警察に抗議し、そのときのスローガンが"Defund the Police",(警察に資金を出すのをやめろ)、"Disband the Police"(警察を解体しろ)です。"defund"という単語は、ロングマンには載っていません。マクミランでは、"to remove public funding from"(資金提供をやめる)とありますが、"defunding the police"について、「必ずしも警察をなくするということではない」という説明をしていますので、「警察への資金援助をカットする」とか、「警察予算をカットする」という解釈で進めます。


デブラシオ市長は、"budget cut"(予算削減)という言葉を使っています。6月30日に次年度の予算案が市議会の承認を得、注目されていた警察の予算は1billion dollarsがカットされて、若者の教育やソーシャルサービスに向けられることになりました。日本円で1,000億円以上!



予算が成立する6月30日の市庁舎前にはすごい人。(ABCNews7より)




Raw Video: Police push back protesters at NYC City Hall


次の英文は、デブラシオ市長の予算について説明した動画から一部をとったものです。


I said in our State of the City speech, quote, ‘Our young people don’t need to be policed. They need to be reached.’ And that is the spirit of the reforms we’re going to talk about today and beyond. We will be moving funding from the N.Y.P.D. to youth initiatives and social services. The details will be worked out in the budget process in the weeks ahead. But I want people to understand that we are committed to shifting resources to ensure that the focus is on our young people. And I also will affirm, while doing that we will only do it in a way that we are certain continues to ensure that this city will be safe.


私は、「ステート・オブ・ザ・シティ」(という市長室が配信する動画サイト)で、次のように言いました。「若者たちには警察沙汰は必要ないのだ。彼らに必要なのは手を差し伸べられること」とね。それは今日もこれからも話そうとしている改革の精神のことになります。私たちはNYPDの予算を若い人たちのための取り組みと社会的サービスに移します。詳しいことは今後数週間の予算成立プロセスの中で明らかになりますが、私は皆さんにこのことを理解していただきたい。我々は予算を若者に焦点を当てるものへと変えていくことにします。そうしながらも、街の安全の確保はこれからも続けていく。そう確約します。



民主党全体としては、警察の予算を削減する方向ですが、最近急激に増加している犯罪数とコロナウィルスに関連した安全対策で、この予算をカットすることに不安を感じている人もいます。これだけを考えてもアダムス氏の今後は困難な道が続くだろうと想像できます。


では、今回のエリック・アダムス次期市長候補の決意表明ビデオをどうぞ。キャプションは下にあります。




Eric Adams


3:00頃から、次のところが始まります。
GoodDay New Yorkという情報番組の司会者からです。


I feel like you know people from Brooklyn kind of know you can kind of cut through that really fast.
Speaking of cutting through that really fast, let's talk about some issues that are very important to New Yorkers.
Where do you stand on defunding the police?


ブルックリンの人たちは,、(ブルックリン区長の)あなたならそうした(新型コロナのもたらした)困難をすばやく切り抜けられると思っているようですね。
すばやく「カットスルーする(切る⇒資金援カットする)」といいますと、ニューヨーカーにとってとても大切ないくつかの問題についてお伺いしたいと思います。
警察の資金をカットするということについてのお考えをお聞かせください。


We don't have to defund or disband. We need to change the ecosystem of public safety.


資金をカットする必要も、組織を解体する必要もありません。必要なのは市民の安全のエコシステムを変えるということです。


Okay, what does that mean exactly Mr. borough president, because we've seen an uptick in crime since we started talking about defunding the police.


そこですよ、ブルックリン区長、それって一体どういうことなんですか?警察への資金のカットが話し合われて以来、犯罪が増えているようですが。


Who noticed better than I do. The uptick in crime is due to the overproliferation of guns in our community. I want to put back in place our anti-crime unit to focus specifically on guns. And then we need to stop the flow of guns. Yesterday, on Fulton Street, we had individuals shooting at each other that hit a woman over 70 years old while riding a bus. That's unacceptable. I don't want my son growing up in the city that experienced the crime that I experienced.


そのことなら私が一番良く気付いてますよ。犯罪の増加は人々の中に拳銃が広がっているためです。拳銃に的を絞って(私服警官からなる)犯罪防止ユニットを適所に配置したいと思っています。そして拳銃の流れをストップする必要があります。昨日はフルトンストリートで拳銃の撃ち合いがあって、バスに乗ろうとしていた70歳を越える高齢の女性に当たったのです。とんでもないことだ。私は自分が経験した犯罪が起こった街で息子が育って欲しいとは思わない。


Well listen, I just I need something clear, because the mayor and the city council at one point after all the protests and some of the looting and riots in New York City, that they said they wanted to defund the police. Corey Johnson, the city council president , he said we didn't go far enough taking a billion dollars away from them. Where exactly do you stand?


よろしいですか、私ははっきりさせて欲しいんです。ニューヨークシティで多くの(警察の人種差別行為について)抗議集会があり、またいくつか略奪や暴動もありました。その後のことですよ、市長と市議会が警察への資金をカットしたいと言ったのです。市議会議長のコーリー・ジョンソンね、彼は10億ドルを打ち切るくらいじゃだめだって言ったんですよ。あリなたはどういうお立場ですか?


I'm trying to be as clear as possible. We must become proactive in fighting crime and not reacting, and we should do nothing that is going to endanger the safety of the city, nothing at all. You heard me say this not today but every day. You pulled back your videos and you heard me off to say the prerequisite to prosperity is public safety. Our city should never do anything that's going to create an unsafe environment. And I will never let that happen.


できるだけ分かりやすく言うようにします。犯罪との闘いは先を見越して行わなければればなりません。事後的に行動するのではだめです。街の安全を危険にさらすようなことをしてはダメです。何ひとつね。私がそう言っているのを聞いたよね。今日初めてじゃなく、毎日言ってるよね。ビデオを戻して見たよね。繁栄の必須条件は市民の安全だって言ってるよね。ニューヨークは安全ではない環境を作り出すようなことを決してやっちゃいけないんだ。私がそれを許さない。


"We need to change the ecosystem of public safety."(市民の安全のエコシステムを変えなければならない)というのはどういうことか分かりましたか?


警察が悪い ⇒ 資金をカット、警察を解体 ⇒ 犯罪が増える ⇒ 市民の安全が守られない ⇒ 街が繁栄しない


という流れを、


警察を良くする ⇒ 市民の安全が守られる ⇒ 街が繁栄する ⇒ 警察の必要性が少なくなる ⇒ 資金がカットできる


という流れにするために、最初の「警察をよくする」ということに取り組む。そのためには資金のカットはしない、ということだと理解しました。


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