Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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ニューヨークの地下鉄の現金乗車券販売所が姿を消している。それが差別に当たるという理由は?

ニューヨークの地下鉄の全面リニューアル工事がここ数年あちこちで行われています。スマホをかざすだけで乗車できるシステムになりつつあります。


ニューヨークの地下鉄はメトロカードで乗車します。自動販売機で購入できます。
これです。



これを改札口でスワイプするのですが、地下鉄のリニューアルに伴って、2023年までにメトロカードが廃止され、すべてスマホをかざすという方式になります。


スマホや銀行に口座を持っていない人は、システムの交換によって地下鉄に乗れなくなる可能性がでてくるので、特に低所得者層問題に取り組んでいる政治家たちがトークンブースを再設置するよう求めています。


トークンブースは、メトロカードシステムができる以前、トークン(メダル)で運賃を支払っていました。このシステムがメトロカードに代わってからトークンブースは、メトロカーどの不具合があったときの交換や、2枚のメトロカードを1枚にまとめるなどの業務をおこなってきました。



今回の新方式導入に合わせて、メトロカードシステムが全線で廃止されます。現金でメトロカードを購入することができなくなるばかりではなく、メトロカードを扱っているトークンブースが撤去されたため、その復活を望む声が上がっています。


今日はその記事についてです。


これが、現在も残るトークンブースです。
人がいるというだけでも安心感を持てます。




Union leaders, NYC pols demand MTA restore cash transactions at subway token booths
組合のリーダーたち、NYCの政治家はMTAは現金が使える地下鉄のトークンブースを復活させるよう求めている


By CLAYTON GUSE AUG 10, 2021 


State lawmakers and union officials demanded Tuesday that the MTA resume cash transactions at subway token booths, saying the no-cash policy started during the pandemic discriminates against low-income New Yorkers.


ニューヨーク州の政治家と組合役員たちが火曜日、MTA(都市交通局)に現金で運賃の支払いができる地下鉄のトークンブースの復活を求めた。パンデミックの期間中に現金を使わないようにする動きが出はじめ、低所得者のニューヨーカーのことを差別的に扱っているというのだ。


Politicians gathered outside Broadway Junction subway station in East New York to demand the agency immediately resume the hand-to-hand transactions, which ended in March 2020 out of concern that paper money could easily transmit the coronavirus.


政治家たちはイーストニューヨークのブロードウェイ・ジャンクション駅の外に集まり、MTAに対して直ちに(トークンブースでの)運賃支払いを復活するよう訴えた。こ020年3月に、現金の使用は新型コロナウィルス感染を起こしやすいと懸念されたことから(ブースでの業務が)廃止されたのである。


State Sen. Julia Salazar led a group of 42 state lawmakers who in June sent a letter to former Metropolitan Transportation Authority chairman Pat Foye blasting the lack of cash exchanges. Salazar said Tuesday she has not heard back from anyone at the agency.


州の上院議員であるジュリア・サラザールは42人の州の議員の先頭に立ち、6月に現金で運賃が払えなくなったことを非難した手紙を元都市交通局(MTA)の局長であるパット・ホワイエに送った。サラザールは火曜日、まだ局のだれからも回答を得ていないと言った。


(トークンブースの再設置を求めて声を挙げている、ジュリア・サラザール上院議員)


“There is no justification for this,” said Salazar (D-Brooklyn). “That’s hundreds of thousands of people who will be unable to take the train when they need to.”


「このことには何の正当性もありません」とサラザール(ブルックリン区選出、民主党)は言った。「何十万人という人たちが、必要な時に地下鉄に乗れないのです。」


MTA chief safety officer Pat Warren in June said the agency had no plans to resume token booth cash transactions.


6月に、MTAの主任安全局長のパット・ワレンは、「トークンブース復活の計画はない」と言った。


Transit officials have since the elimination of subway tokens periodically cut token booth jobs. Once the booths housed thousands in cash and tokens. But with the advent of MetroCard vending machines and expanded use of credit card payment systems over the last two decades, token booths now handle much less cash money.


MTAの役員はトークンブースの廃止以来、定期的にブースの仕事を減らしている。かつて何千ものブースがあって、現金で(トークンコインを買って)の運賃の支払いができていた。しかしここ20年の間メトロカードの自動販売機が現われ、またクレジットカード払いがに進み、トークンブースでの現金の扱いがかなり減ったのである。


MTA spokesman Tim Minton said the MetroCard vending machines in stations as well as hundreds of retail locations across the city take cash, and meet the needs of riders without credit cards or bank accounts.


MTAの広報であるティム・ミントンはメトロカードは市内の何百という店で現金で売っているし、自動販売機では現金で買える。クレジットカードや銀行口座がない乗客のニーズには対応できていると言った。


Token booth workers are also banned from replacing damaged MetroCards or combining the balances of two MetroCards. MTA officials said riders must mail in their MetroCards or go to the agency’s customer service center in lower Manhattan for those services.


トークンブースで働いている人たちも、具合の悪いメトロカードを交換したり、2枚のメトロカードの合算をしたりする仕事がなくなる。MTAの役員は乗客はメトロカードを郵送するか、ローウォアー・マンハッタンにあるサービスセンターのカスタマーサービスに行ってサービスを受けるように言っている。


“No decision has been made about the return of cash transactions at station booths,” said Minton. “The MTA is evaluating options and communicating with our labor partners to determine the best outcome for our customers.”


「駅のトークンブースの現金での運賃支払いが復活するという決定はしていない」とミントンは言った。「MTAは選択肢を検討し、乗客のために最も良い結果が出るように労働組合と話し合いをしている。」


Transport Workers Union Local 100 president Tony Utano said the move was an unfair attack on his members, and questioned why the MTA’s higher-income riders in the suburbs are still allowed to pay with cash.


「交通職員組合ローカル100の会長のトニー・ウタノはこのような動きは組合員にとって不公平極まりない攻撃だ。なぜ郊外の高所得者の乗客に行っている現金販売がここではできないのか。」


“They restore cash on the LIRR and Metro-North, but they don’t restore cash in the city,” said Utano. “We’re not opposed to negotiating something. But we’ve got to get the cash back into the booth right now.”


「彼らはLIRR(ロングアイランド鉄道)とメトロノースで現金払いを復活しているんだ。でも、ここ(ニューヨーク市内)ではそれができていないのだ。」とウタノは言った。「我々は交渉することに反対はしない。今すぐにでもトークンブースに現金が戻ってくるようにしければならない。」


Sen. Zellnor Myrie (D-Brooklyn) said the no-cash policy discriminates against New Yorkers who have no choice but to use mass transit.


上院議員のゼルナー・ミリー(ブルックリン選出、民主党)は現金を使わないで支払えというやり方では、公共交通を利用するしかない人たちにとって差別だと言った。


“How can we tell people to take the trains and take away the means for them to get on the train?” said Myrie. “Is the cash from Brownsville not good enough for you? Is the cash from Crown Heights not good enough for you? Is the cash from East Flatbush not good enough for you?”


「人々に電車には乗れるといいながら、電車にのる手段を取り上げることなどできますか?」とミリーは言った。「ブラウンズヴィルから現金で乗っても十分な儲けがないっていうんですか?クラウンハイツから乗っても、イースト・フラットブッシュから乗っても十分な現金収入にはならないっていうことですか?」


社会が変わると犠牲になるのは、低所得者であることが多いです。先日もブロンクスで入居者の立ち退き反対運動で、逮捕者まで出ました。


どういう立ち退きを求められたのでしょう?家賃?取り壊し?次回お知らせします。


今回の記事の原文はこちらにあります。
  ⇓
https://www.nydailynews.com/new-york/ny-mta-token-booths-subway-cash-transactions-20210810-a6svrfe4u5dnpgo55cq4zisu4e-story.html



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