Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

発見と感動を与えてくれるニューヨークを英語学習に役立つコンテンツにして毎日お届けしています。

「音が聞こえてくる絵」には、時代を伝える作者の心があった。

ニューヨークの芸術の授業では、想像力と創造性を育むとともに「自分」を描くことを大切にするように指導されていることに気付きます。そして常に生徒が自分の頭で「考え」ている。


「こうしたほうがいい」と言われない。「こうしたらどうだろう?」と考える。先生は生徒の制作過程を見ながら、「インスピレーション」を引き出す手伝いをして、それをアートにする手法を教えていく、ということが今までの作品とコメントを読んで分かりました。


今日は、高校2年生のペンを用いたスケッチです。タイトルは『ある場所の風景』。





Portrait of a Place
Kunyu Liang
Grade: 11
School: New Utrecht High School, Brooklyn
Art Teacher: Taylor Harlin
Pen


Student:
In my mind, art is a special space, a world of my own. I can express all my ideas by recording them. I see my artwork as a symbol of my experiences.


私の心の中で、アートは特別な場所にあります。それは私自身の世界です。私は自分の考え全てを記録することで表現することができます。自分の作品の制作は自分の経験を象徴するものだと思っています。


My art teacher encourages me a lot. She is like a companion who gives me different themes that I can explore.


芸術の先生は私をたくさん励ましてくださいます。先生は私を導いて探求テーマを色々与えてくださるガイドのような人です。


I take photos for inspiration. I like to add my own ideas to them and imagine different media I can use to interpret the photos. The challenge for me in creating this artwork was to analyze the place and then to use my style to express it. I thought to myself, what angle should I take?


私はひらめきを求めて写真をとります。自分の考えを写真に加えて、その写真の解釈に使える様々な手法を想像するのが好きです。この作品を制作する上で難しかったことは場所をよく見て、それを表現する自分のスタイルを持つことでした。どのアングルで書けばいいのかを自問していました。


Teacher:
Kunyu studied Nighthawks by Edward Hopper, discovering how much decision-making there is in art. She took a reference photo of a place while learning remotely. Based on observation and her reference, Kunyu composed a drawing that conveys her unique viewpoint. Her work demonstrates her knowledge of perspective and her ability to create depth.


クンユーはエドワード・ホッパーのナイトホークスを研究しました。そして作品を生み出す上でどれだけ多くの決定があったのかを見つけています。彼女はリモート授業を受けながら一つの場所の写真を参考にすることにしました。観察と素材の上にクンユーは、自分独自の物の見方を伝えるスケッチをしました。彼女の作品には遠近法の知識があり、奥行きを出す能力があることが分かります。


(エドワード・ホッパーのナイトホークスはこれです。この絵は本文にあったものではありません。)


Kunyu’s drawing style and attention to detail infuse the drawing with her experience of this place. The vantage point places the viewer in the shoes of the artist. We are on a familiar street, perhaps less busy than usual. We see socially distanced people wearing masks, cars passing, and birds watching the scene from above. Kunyu found a clever place to leave her name and the date of this drawing. There is an undeniable sense of personality and humor in this work.


クンユーは自分のスケッチスタイルと細部まで払った注意力でこの場所への理解を絵の中に吹き込みました。この絵を見る人は芸術家の視点に立ってその目線を感じることができます。私たちはよく見る通りにいます。いつもの通りにいるのだけれど、そこは多分いつもの賑やかさがない。人々はマスクをして距離をとって歩いていて、車が通りすぎ、鳥たちが上からその景色を眺めているのが見えますクンユーは自分の名前とこの絵を描いた日を残すためにいい場所を選びました。この作品には否定しようがない人間性のセンスとユーモアがあります。


絵を見るだけで、静かな音が聞こえ、街の匂いを感じました。しばらく立ち止まっていると人が動き、鳥が飛び立つのではないかと思うほど詳しく描かれています。通りのサインにちょこんと止まっている鳥は、どう思ってこの風景を見ているのだろう?マスクをして歩いている人はどこにいくのだろう?と見る側の想像力までかきたててくれます。技術的に素晴らしいだけではなく、この絵を描いた高校2年生の心が伝わってきました。ニューヨークに行ったら彼女がこの絵を描いたポイントに立って見ようと思います。


Englishラボ
MisTy

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