Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

発見と感動を与えてくれるニューヨークを英語学習に役立つコンテンツにして毎日お届けしています。

アートは自分が表現したいものを伝えること。それはまさに教育の原点。

メトロポリタン美術館の P.S.Art 展(公立学校アート展)では、特に「~賞」が付いているわけではありません。選考された作品はどれも素晴らしいので、「金賞」とか「特別賞」などの評価はありません。メトロポリタン美術館に展示されたこと自体が全ての作品にとって「入賞」であり、「特別賞」なのだと思います。


では、作品と生徒の感想、先生のコメントを読んでいきます。(Gradeと書かれているのは、学年のことで、1~12まであり、小学1年生~高校3年生までを指します。)


今年のプログラムの表紙を飾った作品がこれです。タイトルは『キャンディーの女王』(実際はスペイン語です。)高校3年生の油絵作品です。


作者の感想と先生のコメントを読みます。

La Reina de Las Chucherías (The Queen of Candies)
Julissa Bruno
Grade: 12
School: Humanities and Arts Magnet High School, Queens
Art Teacher: Jane Judson
Oil painting on canvas paper



Student:
Art has become a way that I can free my thoughts, feelings, and ideas. My work is part of my identity. It depicts emotional stages in my life and represents Dominican culture and Afro Latinas. Art has given me direction into my adulthood; I know I am going to pursue a BFA in college. Frida Kahlo was one of my inspirations for this painting. Her self-portraits are precise and expressive. I struggled to portray myself as accurately and honestly as possible. Through the process, to achieve my goal, I sought critique from my teacher, peers, and family.


生徒の感想
私はアートを通して自由に考え、自由に感情を表現し、自由なアイデアを持つことができました。私の作品は私のアイデンティティーです。自分の生活の中の感情の様々な面を表現していて、ドミニカ共和国の文化とアフロラテン系文化を表しました。アートは私にどういう大人になったらいいのかを教えてくれました。私は大学ではBFA(basic first aid基本的応急処置)のコースを選択するつもりです。フリーダ・カーロはこの絵を描くにあたっての私のインスピレーションを与えてくれた人の一人でした。彼女の肖像画は正確で表現が豊かです。私は自画像を描くにあたってできるだけ正確に、誠実に描こうと頑張りました。その中で、自分の目的を達成するために先生や仲間、そして家族に意見を求めました。


Ms. Judson has played a major role in my self-confidence as an artist. She reassures me that my ideas are valid and powerful. When I present an idea to her, we brainstorm how I can best depict my message.


私は、ジャドソン先生のお陰でアーティストとして自信が持てるようになりました。先生は私の考えはしっかりしていて力強いと言ってくださいます。先生に私のアイデアを相談すると、どうしたらメッセージが最もよく表せるか、一緒にブレインストーミングをしてくださったのです。


感想の中に出てきた、フリーダ・カーロの自画像のひとつがこちらです。


Teacher:
This painting is a part of Julissa’s portfolio for our AP 2D Design class, in which students choose a theme to explore for the year. She has worked to cultivate a body of work that expresses her experiences as a young Dominican woman. Julissa reflects on all aspects of her culture and the judging she has experienced throughout her life, some from other members of her community. Along with Frida Kahlo, Julissa was influenced by Johannes Vermeer, as you can tell by the stark similarities between her self-portrait and his Girl with a Pearl Earring. I am impressed with her mastery of oil paint and the beautiful use of light, while layering meaning as she depicted herself as a confident young woman embracing her roots.


先生のコメント
この絵はAP 2Dデザインクラスのジュリッサの作品集の一部です。この授業では生徒たちはその年を探るテーマを選びます。彼女は若きドミニカ共和国の女性としての自分の経験を表すため、大変な努力をしました。ジュリッサは、(ドミニカ共和国の)文化的な面と自分がこれまでの生活を通して判断したことを深く考えています。その中にはコミュニティーの人たちとのかかわりからうまれたものもあります。フリーダ・カーロばかりでなく、ジュリッサはヨハネス・フェルメールにも影響を受けています。彼女の自画像と彼の作品である『真珠の耳飾りの少女』の間の相似がお分かりになると思います。重ね塗りの手法で、自分のルーツを大切にしている自信に満ちた若い女性を描写しており、私は彼女の油絵の完璧さと光の美しい使い方に感心しています。



明日は、また違った作品の生徒の感想と先生のコメントを取り上げます。
生徒のメッセージに感心するとともに、指導なさっている先生の指導力や教育力の高さを感じます。


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