Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

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ライブラリー・ウェイのバージニア・ウルフ。そして彼女の遺書に涙する。。。


ニューヨークのライブラリー・ウェイで見つけた英語です。
今日の2枚です。
四角い銅板からはみ出すように置かれているツタの葉が作者の名前の"John Greenleaf Whittier"と一致して、色がないのに色を感じます。



転写して読みます。


I love the old melodious lays
Which softly melt the ages through,
The songs of Spenser's golden days,
Arcadian Sidney's silvery phrase,
Sprinkling our noon of time with freshest morning dew. 
---John Greenleaf Whittier  (1807 - 1892),  "Proem"

私は古いメロディのように流れる詩が好きだ
それは長い時をずっとゆっくりと溶かす
スペンサーの黄金の日々の詩が好きだ
アルカディアを書いたシドニーの銀鈴のような響きのフレーズが好きだ
それらは降りたばかりの朝露と共に我らの最高の時を輝かせるのだ
ーージョン・グリーンリーフ・ウィッター(1807 - 1892), 「序文」より


ジョン・グリーンリーフ・ウィッターは、アメリカの詩人です。
声に出して読んでみると、"lays"、"days"、"phrase"が韻を踏んでいてきれいな響きを作っているのがわかります。この詩の中に出てくる、SpenserもSidneyも詩人です。


Sidney は、Arcadia (オリジナルタイトルはThe Countess of Pembroke's Arcadia という散文の長編を書いていました。

"Arcadia"の原本(Wikipediaより)


銅板のツタの長いからまりが、彼の詩の流れを表象しているかのようです。


次の1枚は、とても奇抜なデザインです。周りの文字が図書館の本棚のようにも見えます。どの面も同じ英文です。よく見ると、真ん中の英文が四方の鏡に映っているというデザインでした。



If you donot tell the truth about yourself you cannot tell it about other people.
--Virginia Woolf (1882- 1941),  "The Leaning Tower"


自分自身の真実を語らないのなら、他人の真実は語れない。--- バージニア・ウルフ (1882- 1911)、「斜塔」より


バージニア・ウルフはイギリスの小説家です。
最期は精神を病み、入水自殺をしています。遺書が残っており、世界で最も美しい遺書と言われています。日本語には訳したくないと思う程、美しい英文です。。。



Dearest,
I feel certainthat I am going mad again. I feel we can't go through another of those terrible times. And I shan't recover this time. I begin to hear voices, and can't concentrate. So I am doing what seems the best thing to do. You have given me the greatest possible happiness. You have been in every way all that anyone could be. I don't think two people could have been happier till this terrible disease came. I can't fight any longer. I know that I am spoiling your life, that without me you could work. And you will I know. You see I can't even write this properly. I can't read. What I want to say is that I owe all the happiness of my life to you. You have been entirely patient with me and incredibly good. I want to say that - everybody knows it. If anybody could have saved me it would have been you. Everything has gone from me but the certainty of your goodness. I can't go on spoiling your life any longer.
I don't think two people could have been happier than we have been.


最愛の人へ
確かにまた頭がおかしくなってきたように思います。私たちはもうこうしたひどい時期を乗り越えていけないと思います。今回は良くならないでしょう。声が聞こえはじめて集中できません。だから私は一番いいと思うことをします。あなたは私に可能な限り尽くしてくださいました。すべての面であなたのような人はいません。このひどい病気がやってきて初めて、私たちはこの上なく幸せだったのだと知りました。私はこれ以上闘うことができません。私はあなたの人生をだめにしているし、私がいなくてもあなたはやっていけると分かっているし、あなたはやっていくでしょう。私ちゃんと書けもしないわね。読むこともできないし。言いたいのは私の人生が幸せだったのはすべてあなたのお陰だということです。私に本当によく我慢してくださいました。本当によくしてくださいました。皆は分かっていると思います。もし私を救える人がいたとすればそれはあなた。私はすべてを失ってしまったけれど、あなたの優しさだけが残っています。これ以上あなたの人生を無駄にすることはできません。
私たち二人より幸せな人たちはいなかったわ。


Englishラボ
MisTy

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