ニューヨークの日常を変えたコロナウィルス。ホールフーズの場合。

2020/05/20 00:00

2017年８月に、Amazonがホールフーズを137億ドルで買収しました。すでに３年が経とうとしています。ニューヨークのホールフーズが様変わりしたことをブログでも書きました。

また、マンハッタンのクィーンズにアマゾンが第二の本拠地を建設する事に対して、住民が反対して、アマゾンがあっさりあきらめたこともブログで取り上げました。

ホールフーズとアマゾンは何の因縁があるのか、今回はコロナウィルス対応について、アマゾンが関係した記事を読みます。

"VICE"というデジタルメディアのホームページに次のような見だしで記事が掲載されたのが３月20日でした。

Two NYC Whole Foods Employees Test Positive for Coronavirus, Stores Remain Open
by Lauren Kaori Gurley　　　Mar 20, 2020
ニューヨーク、ホールフーズの二人の従業員がコロナ陽性反応の中、店は閉店せず

そして、"Patch"というニューヨークの地元情報誌に次のような見だしが載ったのが、約１ヶ月後の４月15日。

Whole Foods Closes Bryant Park Store Amid Coronavirus Outbreak
コロナウィルス感染流行の中、ホールフーズブライアントパーク店休業
The store will be closed to shoppers and re-purposed to fulfill online grocery orders through Amazon Prime.
店舗は休業、アマゾンプライムで食料品の注文を受け付ける形で再オープン
By Brendan Krisel, Patch Staff Apr 15, 2020

この中で、ホールフーズのスポークスマンは次のように言いました。（同記事より）

"As we continue to face the challenges associated with COVID-19, we are constantly looking for new ways to meet the increased demand for online grocery shopping and serve more customers," a Whole Foods spokesperson said in a statement.
「我々はコロナウィルス感染関連の難題に引き続き直面しているため、オンラインでの食料品販売の需要上昇に応え、更に多くのお客様に利用していただける新しい方法を引き続き模索していく」

そして、"EATER NEW YORK"に次のような記事が掲載されました（画像もです）。
読みます。（原文はコチラ。）

Whole Foods’ Bryant Park Location Goes Online-Only to Tackle Delivery Rush

ホールフーズのブライアントパーク店がオンラインのみの販売に移行、配達ラッシュとの闘いに

The grocery chain is hopeful that the transition will help it reduce wait times on delivery orders right now
by Tanay Warerkar@TanayWarerkar Apr 17, 2020
食料品チェーンのホールフーズは直ちに配達注文のみに移行すれば、配達待ちを減らせると期待している

Just days after closing its Bryant Park store to customers, grocery chain Whole Foods announced that the shop, located on Sixth Avenue between West 41st and 42nd Streets, would remain open for online orders only — a move in hopes of speeding up grocery deliveries amid long waits. This location, as well as an outpost in Baltimore, will be the first Whole Foods outposts in the country to transition to the online-only model.
食料品チェーン、ホールフーズがブライアントパーク店の休業直後、41丁目西と42丁目の間の６番街にあるこの店舗で、オンラインでの注文のみを受け付けると発表した。このことで食料品配達にかかっていた配達の待ち時間を減らせると期待している。この場所での移行はボルチモア店と共に、アメリカでのオンライン販売のみのシステムに移行した最初のホールフーズとなる。

Whole Foods has experienced long lines at its stores and even longer delivery waits online since the COVID-19 pandemic hit New York City in March. Late last month, the grocery chain asked all its 13 NYC outposts to instate a 50 person limit at a time for in-store shopping.
ホールフーズは３月にニューヨーク市をおそったコロナウィルスパンデミック以来、店内では長い列が出来、オンラインの注文では更に長い配達時間待ちが続いていた。先月下旬、ホールフーズは13のニューヨークの店舗すべてに入店の人数制限を50人にするよう要請したのだ。

The chain has also introduced a series of safety protocols at all of its locations nationwide that started in mid-March. The stores now conduct daily temperature checks on all employees and provide masks and gloves to each staffer as well. The chain has also installed plexiglass barriers between cashiers and customers at checkout and is adjusting store hours to give staffers more time to restock shelves without customers being present.
また、ホールフーズは３月中旬から全米すべての店舗で一連の安全基準を導入した。現在は従業員全員の体温チェックとマスク、手袋の配布も行なっている。さらにレジでの精算時のために、客との間にプレキシガラスを設置したり、客が不在の状態で在庫補充ができるよう、営業時間を調整したりしている。

And although New York already had a ban on dine-in seating, all Whole Foods locations across the country will also close seating areas, and customers won’t be allowed to bring their reusable containers into the store either.
そして、すでにニューヨークでは、店内での飲食を禁止してきたが、今後は全米すべてのホールフーズで休憩エリアもなくす。さらに来店客はマイバッグの持ち込みも禁止される。

It’s not yet clear how long the Bryant Park location will remain online-only. A spokesperson for the chain said the company is assessing things on a daily basis. The same is true for transitioning other NYC Whole Foods locations to online-only. While no decisions have been made, there could be more announcements depending on the demand.
どのくらいの期間、ブライアントパーク店がオンライン注文のみのままなのかはまだはっきりしていない。広報によると、一日の利用件数を査定しているところらしい。他の市内店舗についてもオンラインへの移行は同様である。何も決定していないが、需要によってさらに公表されることがあるだろう。

この後、２人の陽性が出たのは、会社からのマスクの配布はなかったとか、混み合う店内でのソーシャルディスタンシィングが守られてなかったという訴えが出ました。さらに、配達の急増で、従業員の休みがとれず、体調を壊す従業員が出て、会社側（アマゾン側）に対して抗議の声が多数上がり、現在ホールフーズは、「従業員を守る」という姿勢を強く出しています。

アマゾンが買収していなければ・・・ホールフーズが独自にコロナ対策を打ち出したでしょうし、現在のような混乱は生まれなかったのではないかと考えています。本拠地誘致の際もそうでしたが、「地元を見る」という姿勢が、巨大企業にはないのではないか？「巨大でないこと」が結局は「巨大なもの」より「巨大な力」を持つ、ということがあるのではないかと思います。