ニューヨークのサブウェイミュージシャンが戻ってきた!
新型コロナウィルス感染の影響で、特定の場合を除いて本数を減らしていたニューヨークの地下鉄ですが、最近の感染者数の減少とともに、24時間運営を再開しています。
ニューヨークの地下鉄の構内では、改札口近くやホームなどでミュージシャンのパフォーマンスを見ることができます。そうしたミュージシャンも、感染拡大が深刻な時期に姿を消していたのですが、地下鉄の運行が平常に戻るとともに帰ってきました!
ニューヨークタイムズの記事なのですが、とても長いので、パフォーマーの例をいくつか選択して載せたいと思います。
全ての記事はこちらです。(ブログ中の英文は原文をもとに編集しました。)
⇓
https://www.nytimes.com/2021/06/04/nyregion/mta-nyc-subway-musicians.html?searchResultPosition=2
After a ‘Terrible Silence,’ Many of N.Y.C.’s Subway Musicians Are Back
『ひどい静けさ』の後、多くのニューヨークのサブウェイミュージシャンが戻ってきた
After 14 months away, authorized performers returned to train platforms to play for a reduced ridership
14か月が過ぎ、(地下鉄での演奏)資格のあるパフォ-マーたちが減った乗客のために構内に戻ってきた
By Corey Kilgannon June 4, 2021
Sean Grissom hit the stage — the 28th Street stop on the No. 6 train — promptly at noon on Friday and played the first notes on his cello just as a clattering train barreled past him and drowned out the music with a deafening screech.
ショーン・グリッソンがステージに現れた。6番線の28丁目駅の構内だ。金曜部の正午きっかりだ。そしてチェロの演奏を始めると電車がガタンガタンと彼の前を過ぎた。キーッという音が音楽をかき消した。
But Mr. Grissom, 60, smiled broadly.
しかし60歳のグリッソンは満面の笑みを浮かべた。
He has played in the New York City subway for tips since 1988. But he stopped in March 2020 when the city became locked down during the pandemic. Riders had disappeared from the subways and so had most subway performers, deterred by the danger of catching the virus, and the lack of passengers to play for.
彼は1988年からニューヨークの地下鉄で演奏してチップをもらってきた。しかしパンデミックで街がロックダウンした2020年の3月、彼は演奏を止めなければならなかった。地下鉄から乗客がいなくなり、ほとんどの地下鉄パフォーマーが姿を消した。ウィルス感染の危険性があったし、聞いてくれるお客さんもいなくなったからだった。
On Friday, after more than 14 months, the music was back.
金曜日、14か月間以上(の沈黙)を経て音楽が帰ってきた。
The Metropolitan Transportation Authority restarted its Music Under New York program, which organizes Mr. Grissom and some 350 other performers at some of the most popular underground spots.
都市交通局(MTA)は、「ミュージック・アンダー・ニューヨークプログラム」を再開した。このプログラムはグリッソンさんをはじめとして350人ほどのパフォーマーたちがニューヨークの地下鉄構内の最も知られたスポットで演奏をするというものだ。
Not that the musicians returned to any big crowds on Friday. Even with infection rates at all-time lows and ever more New Yorkers getting vaccinated, many riders are still leery of returning to the subway.
金曜日に多くの人たちのためにミュージシャンが戻ってきたというわけではない。ずっと感染率が低く、これまで数多くのニューヨーク市民がワクチン接種を済ませているのだが、いまだに多くの人は地下鉄に戻ることを心配に思っているのだ。
Mr. Grissom did not seem bothered that his playing often went unheard and unacknowledged. When one passenger finally threw a dollar into his hat, he stood up and bowed.
グリッソンさんは、演奏してもあまり聞いてもらえないとか、気づいてもらえないと言ったことで悩んでいるようには見えなかった。ついに一人の乗客が彼の帽子の中に1ドル札を投げ込んだ時、彼は立ち上がって頭を下げた。
“After a year of no applause, I’ll take anything,” he said. “Anything is better than not being able to play.”
「1年間拍手がなかったから、どんなことでも受け入れるよ」、「演奏できないことに比べたらなんだってましだよ。」と彼は言った。
Another Andean flute player, Luis Vilcherrez, 52, a Peruvian immigrant who was playing in Union Square on Friday, said he was hospitalized last year because of the virus and remained bedridden for two months. Many friends in his neighborhood, Corona, Queens — one of the hardest hit areas in the city — also got the virus, he said.
もう一人は、ケーナ奏者である、ルイス・ヴィルケレス(52歳)だ。彼は金曜日にユニオンスクェアで演奏しているペルーからの移民だ。彼は去年、ウィルスに感染して2か月寝たきりになり入院していた。彼は、近所(ニューヨークで最も感染者が多い地区の一つであるクィーンズのコロナ地区)の多くの友人も感染した。
Leonardo Love, 63, a Jamaican immigrant from Queens, said he continued to play his tenor saxophone in the subways through the entire pandemic.
レオナルド・ラブ(63歳)は、クィーンズ地区に住むジャマイカからの移民で、パンデミックの間中、地下鉄でテナーサキソフォーンを吹き続けた。
“I figured if I died, I’d die doing what I love to do,” he said. “But it was a ghost town down here. The only passengers were people risking their lives by going to work — maids, construction workers, food workers. They told me, ‘Keep playing, keep us going, brother.’”
「死ぬんだったら、自分が一番好きなことをしながら死にたいって思ったんだ」、「でも、ここはゴーストタウンだった。唯一の乗降客は仕事に向かい、自分の命を危険にさらしている人たちだったんだ。メイドや建設業者、食品業者たちだ。彼らはこういっていたよ。「演奏し続けろ。自分たちに力を与えてくれ、俺たちは仲間だぜ。」ってね。」
Some subway musicians took their act outside, for safety’s sake.
安全を考えて、屋外で演奏しているミュージシャンもいたよ。
Jean-Pelet Matheus, 43, a trumpeter from New Jersey who plays church hymns in a subway corridor near Penn Station, began playing on the street on the East Side of Manhattan.
ジーン・ペレ・マシューズ(43歳)はニュージャージーのトランペッターだ。ペンステーション近くの地下鉄連絡通路で聖歌を演奏している。彼はマンハッタンのイーストサイドの通りで演奏を始めた。
“The office workers and tourists are still not around, and the blue-collar workers don’t really stop, so I might make maybe 20 or 30 bucks day,” said Mr. Matheus, who added that he often sleeps on midtown streets guarding his trumpet from being stolen. “Something is better than nothing but it’s been very slow.”
「オフィスワーカーや観光客はまだいないし、ブルーカラーワーカーはあまり立ち止まってくれない。だから一日の稼ぎはだいたい20ドルか30ドルだろうな。」とマシューズは言う。時々トランペットを盗まれないように気を付けながらミッドタウンの路上で寝ていたと言う。「なにもないよりまし。だけど、(回復は)すごくゆっくりだね。」
But Mr. Grissom said that returning to playing in public was uplifting, especially after seeing eight of his musician friends die during the pandemic.
しかし、グリッソン(※始めに出てきたチェロ奏者)は、特に彼の音楽仲間の8人がパンデミックの中で亡くなったということからして、公衆の前での演奏に戻るというのは励みになると言った。
At the beginning of his set on Friday, he played the national anthem, which he said was “in honor of the first responders and essential workers.”
金曜日彼は手始めとして、国家を演奏した。「最初に対応に当たった人たち、エッセンシャルワーカーたちに敬意を表して」と彼は言った。
As for the thin subway crowds, he was optimistic that would change soon.
数少ない地下鉄の乗客だが、彼はすぐに状況は変わるだろうと楽観的だった。
“The thing about New York,” he said, “is people always come back.”
「ニューヨークのすごいところは人々がいつも戻ってくる、ということだ。」と彼は言った。
ニューヨークの地下鉄で演奏するには、資格が必要です。
そのことについてはこちらで書きました。
ニューヨークの地下鉄や公園でパフォーマンスするにはどうすればいいか? -
ニューヨークの地下鉄でパフォーマンスをするには、オーディションをうけなければならない。
マイケル・ブーブレが飛び入り参加!
お客さんたちの反応は?
Michael Bublé Sings in NYC Subway [Extra]
ニューヨークの地下鉄は、いつも何かに出会える場所です。それが、ニューヨークの日常であり、世界です。有名な観光地に行ったり、ガイドブックに載っているお店を探し歩いたりするより、ずっとワクワクしますよ!戻ってきて本当に良かった!
Englishラボ
MisTy