選挙権が与えられた移民だったが、かなり誘導的な投票をされていた。
自由の国アメリカ、自分の権利を主張できる国として移民は大いに期待をもってやってきたわけです。投票についての状況を読みます。
Politics and Voting
Citizenship gave immigrants the right to vote and the opportunity to participate in the American political process. The ethnic vote was an important factor in big city politics, where machines such as Tammany Hall in New York retained their power by dispensing jobs and emergency help to each successive wave of new arrivals. Both Republicans and Democrats actively courted the immigrant vote, which was crucial to the election of officials from urban districts all over the United States. Other immigrants, attracted by the message of worker solidarity, supported more radical movements, such as anarchism, socialism, and communism.
政治と投票
市民権によって移民は投票権と、アメリカの政治的なプロセスに参加する機会を与えられました。彼らの票は、大都市の政治を左右する重要な要因でした。ニューヨークのタマニーホールのような機関が、新しくい移民の波が押し寄せる度に、仕事の斡旋をしたり、緊急時に助けを出したりして勢力を保っていました。共和党、民主党共に、移民の票を積極的に吸い寄せようとしていました。そのことが全合衆国の都市部から出馬する役人の選挙にとってとても大切だったのです。他の移民たちは、労働者の団結のメッセージに引かれて、無政府主義、社会主義、そして共産主義のような、もっと革新的な運動を支持していました。
次は実際にどうして票をとろうとしていたかが分かる投票用紙です。
HOW TO VOTE FOR JEROME AND THE DEMOCRATIC PARTY
ジェロームと民主党に投票する方法
と2カ所に並んで書かれています。
その横は、
Mark the ballot as shown below;
下に示すように投票をマークしてください
A cross × in the voting space to the left of Jacome's name and a cross × in the circle under the Democratic Emblem.
ジェームズという名前の左のスペースに×を入れ、民主党のエンブレムの下の○の中に×を入れる。
Don't make any other mark in the ballot.
投票用紙の他の所をマークしないでください。
Don't scratch out any name.
どの名前も線を引いて消さないでください。
エンブレムは左から、
REPUBLICAN PARTY 共和党
DEMOCRATIC PARTY 民主党
SOCIALIST PARTY 社会党
PROHIBITION PARTY 禁酒党
SOCIALIST LABOR PARTY 社会労働党
(後は判読できませんでした。。。(T-T))
こう書かれると、誰にしようか迷っている人は、ジェローム氏と民主党のところをマークしてしまいそうです。今なら選挙違反でしょうね。。。
Sample ballots in English, Yiddish, Italian, and Hungarian were distributed during the 1905 election in New York City. The reelection of District Attorney William Travers Jerome became the major issue of the campaign, and the votes of immigrant voters were actively courted.
1905年のニューヨーク市の選挙中に、英語、イディッシュ語、イタリア語、ハンガリー語で書かれた見本の投票用紙が配布されました。地方検事のウィリアム・トラバース・ジェロームの再選が選挙戦の大きな問題となっていて、移民票が実際に(ジェロームに入るように)誘導されました。
次は、パネルにあった、1980年F.P.ダットン出版のモリソンとザバスキー著、『アメリカンモザイク』のなかから引用したピーター・ケッコネンというフィンランド移民の証言です。
"I became an American citizen in 1907. The first vote I ever cast was for Teddy Roosevelt. We didn't have any radio, of course, or newspapers then, so we walked to the railroad and waited at the depot for the news to come over the telegraph. We really felt like Americans then, electing a president."
Peter Kekonnen, a Finnish immigrant in 1905, quoted in Morrison and Zabusky, American Mosaic, E.P. Dutton 1980.
「私は1907年にアメリカ市民になりました。私が初めて投じた最初の票はテディ・ルーズベルトへのものでした。もちろん私たちにはラジオもなく、鉄道が通っているところまで歩いて行って、駅でニュースが電信で送られてくるのを待っていました。私たちは大統領を選ぶということをして、当時自分たちが本当にアメリカ人だと実感したのです。」
Englishラボ
MisTy