Talking New York --- New Yorkで見つけた英語

発見と感動を与えてくれるニューヨークを英語学習に役立つコンテンツにして毎日お届けしています。

ニューヨーク市博物館に展示されている、アクティビスト・ニューヨークの英語を読む。

"activist"という言葉は、日本語では「活動家」と訳されます。
ロングマンの定義は次のようになっています。
"activist" 
someone who works hard doing practical things to achieve social or political change
political/gay/animal rights etc activist
社会的あるいは政治的な変化を達成するために、現実的に熱心に活動する人


この中に"activist"を特徴付ける表現に下線を入れてみました。
これらの表現から、「活動家」の姿が見えてきます。


works hard  → 口先だけの批判ではactivistと言えない
doing practical things → 現実的な活動でなくてはならない(理想論で終わってはだめ)
to achieve social or political change → 社会的政治的変化を求める (個人的、私的な要求ではだめ)


ということです。


"Activist New York"の日本語表現に困って、結局「アクティビストニューヨーク」にしてしまいました。"activist"は名詞の前につけて形容詞として使うことができますし、"activist groups"は「活動家グループ」という表現ができます。


しかし、


「活動家ニュヨーク」では、意味がはっきりしません。「ニューヨークの活動家」なら、"Activist in New York"という表現になるのが自然です。「ニューヨークに、社会や政治を良い方向に変えていこうと一生懸命現実的に活動してきた人達がいた。その人たちの活動があって現在のニューヨークがあるのだ。」という意味を伝えたいのだと思いますが、ぴったりした日本語が思い浮かびませんでした。。。


さて、
展示室の入り口に貼られたポスターが次の画像です。




They shall not die
彼らを死なせまい


JIM CROW MUST GO  (写真の中のプラカード)
ジム・クロウをなくせ


入り口から、説明が必要な写真に出会いました。強い表現見えます。
"JIM CROW"(ジム・クロウ)を知らずして、この展示室には入れません。


次のサイトに書かれている内容の一部を読みます。
  ↓
Was Jim Crow a real person? - HISTORY


Was Jim Crow a real person?  
ジム・クロウは実在の人物だったのか?
Evan Andrews


The term “Jim Crow” typically refers to repressive laws and customs once used to restrict black rights, but the origin of the name itself actually dates back to before the Civil War. In the early 1830s, the white actor Thomas Dartmouth “Daddy” Rice was propelled to stardom for performing minstrel routines as the fictional “Jim Crow,” a caricature of a clumsy, dimwitted black slave. Rice claimed to have first created the character after witnessing an elderly black man singing a tune called “Jump Jim Crow” in Louisville, Kentucky. He later appropriated the Jim Crow persona into a minstrel act where he donned blackface and performed jokes and songs in a stereotypical slave dialect.  Rice’s minstrel act proved a massive hit among white audiences, and he later took it on tour around the United States and Great Britain. As the show’s popularity spread, “Jim Crow” became a widely used derogatory term for blacks.

「ジム・クロウ」という言い方は、総じてかつて黒人の権利を制限した抑圧的な法律や習慣のことを言う。その名前自体の由来は、実は南北戦争以前にさかのぼる。1830年代初期白人の役者であるトーマス・ダートマス・ダディ・ライスが、架空の人物で、不器用で頭の弱い黒人の奴隷である「ジム・クロウ」の真似をしてショーを行い、大いに受けた。ライスによると、はケンタッキー州ルイスヴィルで「ジャンプ・ジム・クロウ」という歌を歌う年老いた黒人男性を見てその人物を作り上げたという。のちに彼は顔を黒くしてジョークを言い、黒人奴隷のなまりで歌を歌う人物として、ジム・クロウという人物像を使ったのである。ライスの興業は白人の間で大ヒットとなり、後にアメリカとイギリスをまわって披露した。ショーの人気が広がるにつれて、「ジム・クロウ」は黒人を見下す表現として広く使われるようになったのである。


1876年から1964年にかけて、アメリカには黒人と白人の公共施設などの利用を区別したりする人種差別的な州法があり、それらは「ジム・クロウ法」と呼ばれていました。南部では、1970年になっても、かつての慣習が強く残っていたといいます。当時のアクティヴィストは、こうした差別に立ち向かっていました。



上の画像にある”#BLACKLIVESMATTER"(ブラック・ライヴズ・マター)は、2013年にSNS上に作られたハシュタグです。黒人少年のトレイボン・マーティンが白人警官に射殺された事件をきっかけに生まれました。


Activist New York | Museum of the City of New York
のサイトを開けてみました。次のように書いてあります。


Explore the drama of social activism in New York City from the 17th century right up to the present.

17世紀からまさに現在に至るまでのニューヨーク市の社会運動のドラマを探求しよう。


In a town renowned for its in-your-face persona, New Yorkers have banded together on issues as diverse as civil rights, wages, sexual orientation, and religious freedom. Using artifacts, photographs, audio and visual presentations, as well as interactive components that seek to tell the story of activism in the five boroughs past and present, Activist New York presents the passions and conflicts that underlie the city's history of agitation.


挑戦的な人々の街として知られるニューヨークで、そこに住む人たちは、公民権や賃金、性的指向、宗教の自由などの様々な違いの上でお互いに結び付いてきた。アクティビストニューヨークは、双方向展示ばかりでなく、芸術品や写真、視聴覚展示により、5つの行政地区の過去と現在における改革運動の物語と、その扇動の歴史に存在する情熱と葛藤を伝えようとしている。


アクティビストニューヨークの部屋は、そこにいるだけでニューヨークを作り上げてきた人たちの魂の叫びが聞こえてきます。社会を良くしていくのは、政治家や官僚の仕事ではなく、自分たち一人ひとりの考える力とそれを発信できる社会の仕組みを持つことなのだと痛感させられます。


Englishラボ

MisTy






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